「陰陽」「虚実」「五行」

http://www.izima.jp/blog/2012/10/post-208-522081.html 【陰陽について】より

東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。

その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。

今回は平成24年3月1日に発刊された第10刊健康しんぶんから、「陰陽について」です。

東洋で発展してきた鍼灸医学は、東洋哲学ならびに東洋の自然思想の基本的な考え方である「陰陽」「虚実」「五行」という考え方がベースにあります。

今回はこの中で、「陰陽」について考えていきます。

東洋医学研究所黒野保三所長の著書「長生き健康鍼」の中には、『陰陽説の起源を探っていくと、もともとは古代の人々が天地や自然現象を理解して生活に活かしていくために考え出した一つの発想ということが分かります。

例えば、昼間は太陽の光がさんさんと降り注いで温かいのに対して夜間は月が夜空に輝きますが気温は下がります。

こういった対極的な働きを通して天地自然をとらえることが陰陽説の根本にあります。

しかし、対極しているものがそれぞれに勝手なことをするのではなく、対極する二つの事柄が一対となって働くと考えるため、「二元一元論」あるいは「二極一対論」という思想が生まれたと理解され、自然にあるすべてのものに陰陽が存在していると考えられました。

人体を調節する機構もこの「二元一元論」・「二極一対論」で説明するのが鍼灸医学における陰陽論の特徴なのです。

そして、患者さんの特徴を見極めることにも使われております。この考え方は物理科学分野の理論となっており、現代の医療にもとけこんで、オーダーメイド医療の基礎にもなっています。』と著されています。

このことは、「人は生まれつき陽的なタイプの人と陰的なタイプの人に分けられます。」という言葉に端的にあらわれています。

タイプがあるということは、どちらが良いとか悪いとか言うのではなく、人にはそれぞれタイプがあるということに過ぎません。

東洋医学研究所及び東洋医学研究所グループでは、そのタイプを見極め、タイプにあった鍼治療の刺激量を微妙に調節して、体内を正常に導いていくことを心がけて治療を行なっております。

http://www.izima.jp/blog/2012/10/post-210-522083.html 【五行について】 より

東洋医学研究所の黒野保三先生には、毎月1回健康しんぶんを発刊して頂いています。

その中で福田裕康先生が担当されている「シリーズ東洋医学」を紹介させて頂きます。

今回は平成24年5月1日に発刊された第12刊健康しんぶんから、「五行について」です。

東洋で発展してきた鍼灸医学は、東洋哲学ならびに東洋の自然思想の基本的考え方である「陰陽」「虚実」「五行」が、ベースになっております。

今回はこの中で、「五行」について考えていきます。

まず結論になりますが、この五行は陰陽、虚実の概念とは異なり、受け入れ難いものになっております。

東洋医学研究所黒野保三所長の著書「長生き健康鍼」の中での『中国思想の考え方では、太極から陰陽が生じ、さらにその陰陽から自然界をかたち作る「五行」、つまり、木、火、土、金、水と云う流れが生じるとされております。

そして、その五行は良い循環として相生関係があり、一つ先を抑制するものとして相剋関係があります。

具体的には木が火を生ずるという関係が相生関係(母子関係)、木が土を剋するという関係が相剋関係となるわけです。この五行説は自然の営みを説明する方便として広く活用され、鍼灸医学においては、内臓や感覚器官、経絡、食物などを五つに振り分けた「五行の色体表」が考案されました。』と表されています。

では、この五行の色体表が本当に使えるのでしょうか。実際に東洋医学研究所でおこなった研究では、五行の色体表の中で検討しやすい五味(酸・苦・甘・辛・鹹)、五志(怒・喜・思・憂・恐)、五労(久進・久視・久坐・久臥・久立)との関連を調べました。

五行の例えから考えれば、酸っぱいものが好きな人は怒りやすく、動きたがるとなるはずですが、残念ながらそのような関連は認められませんでした。

もちろんこれだけで五行説を否定することはできませんが、今後さらに精度の高い研究を行って五行の色体表の有用性を検討していく必要があることは確かです。

そこでもう一度、五行がでてきた時代背景をみてみますと、五行説のルーツは殷時代から周時代にかけての政治哲学と言われる「五常」にあるといわれています。

本来は国を治める規範の一つを指したものですが、戦国時代末期に易と結びつき、五行として哲学的に解釈されるようになりました。

それが鍼灸医学にも取り入れられるようになりましたが、政治哲学から発想されたため、医学としては無理なこじつけがあったと言わなければなりません。

したがって鍼灸医学の古典文献を検証して正しい学問にしていく必要性が生じてきました。



https://kampo-ikai.jp/towa/basic2/ 【気血水】より

気血水(きけつすい)の「気(き)」とは、生命を維持するためのエネルギーのようなものと考えられています。気が停滞することを「気鬱(きうつ)」といいます。うつ状態などの精神症状をきたします。

順行すべき気が逆行することを「気逆(きぎゃく)」といいます。発作性に咳、不安感、動悸、頭痛などがおこります。

気の量に不足を生じることを「気虚(ききょ)」といいます。疲れやすく、体がだるく、気力がなくなるなどの症状をきたします。

「血(けつ)」とは、現代での血液や体液などに例えられますが「気」とともに生命を維持するうえで、重要であり両者は不可分のものです。

血の流れに障害をきたした状態を「瘀血(おけつ)」といい、月経の異常、打撲による腫れ、肩こり、のぼせや冷えなどをきたします。

また血の量が不足した状態を「血虚(けっきょ)」といい、眼が疲れる、皮膚の乾燥や荒れ、顔色が悪い、こむらがえりなどの症状をきたします。

「水(すい)」も、生命の維持の上で不可欠のものです。

この水が体の中で偏在した状態を「水毒(すいどく)」あるいは「水滞(すいたい)」といい、めまい、頭痛、動悸、浮腫、下痢、尿量の増減などをきたします。

秋田 治之

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漢方では病気の原因を「気」、「血」、「水」という3つの概念で言い表しております。

「気」とは空気の気という字を書きます。

身体の中にこの気が巡っていて、これが滞ったり、塞がったりしますと、これが原因で症状が出てきます。

気が滞ると症状としては、いつも何か喉につかえていて、取れないのでついつい咳払いをする。エヘン虫といっておりますが、そんな虫がいるような感じです。

試験の時になると咳払いをするという経験を持っている人は少なくないのではありませんか?ストレスでこういう症状は出てきます。

これが更に進むと気うつの症状になってきます。

何をやっても気分が滅入って楽しめない、悪いことばかりを考える。

やる気が起きないといったうつ症状になります。

漢方ではこの様な場合、順気剤といって、気の巡りをよくするお薬を用います。

代表的な薬が半夏厚朴湯です。

「血」とは、血液の血と書き、身体の中を血が巡っていますが、これが何かの原因で滞ったり、あるいは足りなくなったりします。

女の方に多く、生理や更年期障害に伴う症状の多くに関係しております。

昔から「血の道」といってよく知られている事で、漢方治療の最も得意とする分野です。

「水」は、みずと書いて水と読みますが、人間の身体の70%は水分です。

バランスよく身体に分布しているときは良いのですが、これが崩れると毒として働くと考えています。

水が上の方に上がると眩暈や頭痛といった症状になりますし、下の方にくると下痢という症状になります。

むくみや動悸といった症状でも出てきます。患者さんを診察する際、お腹を軽くたたきますが、この時チャポチャポと水の音がします。

これを振水音といって水毒の証拠と考えています。

水毒は、一過性として出てくることもありますが、胃腸虚弱のような方は慢性的に見られることもあります。

漢方薬を服用しますと急性期は直ぐに治りますし、慢性的な方でも食事などの注意を守りながら治療しますと治るものです。

水毒に対して代表的な薬は五苓散があります。

これは頭痛、吐き気、下痢、むくみ、口の乾き、尿が少なくなるような時に効きます。

この症状が一遍に出でることがあります。ご存知ですか?

実は二日酔いの症状なのです。朝起きると頭がガンガン痛む。

まるで脳が小さくなって頭蓋骨にゴツゴツと当たっているようです。

喉は渇き、顔は浮腫んで、ムカムカして、吐く、吐いても、物は受け付けない。

よくみると軟便だったり下痢だったりします。

この様な症状に五苓散は良く効きます。

まず仕事に穴を開けるようなことにはなりません。

漢方は経験医学なだけに専門の先生に診ていただくことが大切です。

石川 友章


https://kampo-ikai.jp/towa/basic3/ 【虚実】より

「虚実(きょじつ)」も相対する考え方であり

「証」*注1 を決める上で非常に重要です。

「虚(きょ)」とは、空虚、虚弱、緊張がないことであり、

病気に対する抵抗力が少ない状態です。

脈も微弱となり、腹も緊張がなく力がありません。

このような体質をしめす場合を「虚証(きょしょう)」といいます。

「実(じつ)」とは、充実、頑健、緊張があることであり、

病気に対する抵抗力がある状態です。

脈も緊張がよく、腹も緊張がよく力があります。

このような体質をしめす場合を「実証(じっしょう)」といいます。

また「虚実」は、量の多い少ないの意味でも使われます。

例えば、陰陽と組み合わされて陽実、陽虚、陰実、陰虚というように表現されます。

また、気血と組み合わされれば気虚、血虚などと表現されたりします。

秋田 治之

*注1 「証(しょう)」は、漢方の診察にある「証」をご参照ください。


https://kampo-ikai.jp/towa/basic5/ 【陰陽】 より

「陰陽(いんよう)」とは、病態を「陰」と「陽」という相対する考え方で捉えることで、漢方では「証」を決める上で非常に重要です。

病状がなかなか現れにくく、発熱や炎症などの熱性の症状は少なく、顔色も青白く、手足は冷えて、脈は沈んで弱いなど、陰の傾向がある場合を「陰証(いんしょう)」といいます。

病状が現れやすく、発熱や炎症などの熱性の病状を示して、脈は浮いて緊張が良いなど、陽の傾向がある場合を「陽証(ようしょう)」といいます。

秋田 治之

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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