坂本菊

https://blog.goo.ne.jp/goo2407_2006/e/efa19bd90694cc6099fe48372a1e298c　【坂本菊　最澄～芭蕉～私】　より

坂本菊　蝶も来て酢を吸ふ菊の膾哉（なますかな）　芭蕉

季節感が半年ずれたお題目でございますが、最澄(お坊さん)が中国から不老長寿の薬草として1200年前に持ち帰った食用菊を、江戸時代に堅田を訪れた松尾芭蕉が食べて「蝶も来て酢を吸ふ菊の膾哉」と詠んだわけですが、その坂本菊は今も比叡山の麓の菜園で栽培されている。松尾芭蕉が堅田に来たのは1690年（元禄３年）の晩秋でした。翌年も来て「十六夜の観月会」を催したそうです。

中国といえば、滋賀県長浜市で起きた事件の犯人が中国人であった。事件に対する責任は厳しく問われて当然である。犯人を弁護する言葉はない。しかし、批判の矛先を、中国という国や中国人全般に向けるのは「如何なものか」と思う。新聞社が滋賀の事件の犯人の出身地を取材し、いかにも貧しげ生家の写真と、肉親のコメントを伝えている。この記事には賛否もあるが、私的には事件を正しく理解・認識するためには意味のある取材記事だと思う。

それにしても、日本人男性の結婚相手に中国人女性を斡旋するシステムがある。私の知人も四十歳台になってから中国から花嫁を迎え、母親と同居し、子供を生している。「ばあちゃんと嫁さんが仲が良い」と近所の評判もよいのだ。男女双方に事情があっての結婚も、本人同士と周りの人間環境が良ければ上手くいくのだと思う。しかし、日本人男性と中国人女性の結婚について、正しく理解するための情報は少ない。だから、偏見が生まれると思う。

それにしても、中国から菊を持ってきた最澄は天台宗の開祖、近江(滋賀)の人、姓は三津首(みつのおびと)といい、父親は中国からの渡来人の子孫と伝えられている。渡来人とは外国から渡来して日本に住みついた人。漢字・儒教・機織り・造船など進んだ大陸文化をつたえ、日本に同化していった人々だ。

それにしても、トリノで選手は頑張っているが、カーリングの健闘しか印象に残らないのではやや寂しいが、フィギュアスケートの３選手が、それぞれの思いで、前半戦に臨んでいる。国民的な声援を送りたいと思う。

http://www.randdmanagement.com/c_food/fo_070.htm　【食用菊の話…】より

蝶も来て 酢を吸ふ菊の 膾哉　　松尾芭蕉　(47才 大津 堅田付近)

　酢の物にして香りとほろ苦さを愉しむ、食用菊は、おそらく全国各地で作られているだろうが、目立つ産品は意外と少ない。

　よく見かける薄黄色の乾物では、八戸の特産と言われている「阿房宮」が多いようだが、品種名が表示されていないものも結構多い。

　「阿房宮」は、他の土地に移植すると、独自の甘味がなくなってしまう特性を持つのだそうだ。これなら確実な特産品だが、そんなことがあるのだろうか。(1)

　秋は、一面の黄色の美しい菊畑を見ることができるのだろう。そのほとんどを乾燥させるのだろうが、どうやっているのか気になる。

　東京から遠いので、見に行けず残念だが。

　三戸郡南部町にも広い菊畑があるようだが、こちらはサクランボをウリにしているせいか、合併の余波か、理由はわからないが、町の特産品として訴求するつもりはなさそうである。

　生ということになると、知る人ぞ知る、山形特産の「もってのほか」。正式名称の「延命楽」の方が上品な感じがするが。

　この菊は、淡い紅紫色なので、誰でも、アレかということになる。

　一度食べると、黄色より、苦味感が薄い感じがわかるので、その後選ぶ人が多いのではないかろ思う。

　ただ、山形は、黄色の品種「寿」等も栽培しており、通年営業で力を入れている。

　当然ながら、東京に来ている“生”の主流は、山形産。最近は、農産物に産地表示があるから、状況が手にとるようにわかる。

　実際、山形の作付面積は170haもあるというのだから、たいした広さだ。

　新品種にも力を入れているようで、「越天楽」が導入されたそうだ。(2)

　それにしても、延命楽、寿、越天楽。どうも菊は目出度い産品のようである。

　涼しい気候の土地なら、栽培はそう面倒でもなさそうだから、青森や山形以外でも結構栽培されていると思うが、「阿房宮」や「もってのほか」ほど有名な産品はなさそうである。

　もっとも、岩手産の菊海苔をお土産にもらったことがあるから、力を入れている地域もあるのかも知れない。

　ただ一品付け加えるとすると、下越の赤紫色の「かきのもと」(3)になろうか。「もってのほか」と同根だと思うが、こだわりがありそうだから、食感は相当違うのかも知れない。東京では余り見かけないから、もっぱら地元で食べられているのだろう。

　それにしても、よくわからぬ名前だが、各農家が自家消費用に垣根の根元に植えていたということなのだろうか。

　こうした食用菊は、もともとは京の近辺で栽培されていたものが、伝わったとされている。ところが、関西ではせいぜいが、刺身のツマ用の小菊としてしか使われていない。実に不思議である。

　と思って調べたら、そんな習慣が大津市坂本には今もって残っているそうである。(4)

　--- 参照 ---

(1) http://www.city.hachinohe.aomori.jp/kanko/foods/foods.html

(2) http://www.afftis.or.jp/shingi/12.htm

(3) http://www.pref.niigata.jp/norin/syokutomidori/syok/syun_info/oct/kakinomoto_index.html

(4) http://www.shiga.info.maff.go.jp/siganougyou/sakamotokiku.htm

(俳句について) http://www.ict.ne.jp/~sasa-mi/sigakushuu.htm

(菊のイラスト)　(C) misaki お花のアイコン館 http://flower.girly.jp/