FacebookHiroshi Kaneiさん投稿記事
🌳森の生物多様性と、オオカミのいない山で生きるということ🐺
昔、日本の森にはオオカミがいました。
彼らが山を駆けていた時代、シカやイノシシの数は自然に調整され、クマも森の中で十分な食べ物を得ることができました。
しかし、オオカミが絶滅した今――
天敵を失ったシカやイノシシは増えすぎ、森は食い荒らされ、クマは食べ物を求めて人里へ降りてくるようになりました。野生動物と「完全に共生する」ことは難しい。
だからこそ私たちにできる最もシンプルで確実な行動は、“野生動物の暮らす場所を壊さないこと”。森や山、川を自然のまま残せば、生態系は自らバランスを取り戻します。野生動物が安心して暮らせる世界を守るために、私たちが手放すべきものは「支配」ではないでしょうか。
🐺もし今もニホンオオカミが、この山脈を駆けていたら。
彼らがなぜ消えてしまったのか。
それは、病の流行、明治維新による急激な社会変化、価値観の転換が重なった結果でした。
かつて「お犬様」「大口真神」と呼ばれ、田畑を守る“益獣”として畏敬されていた存在は、いつしか「害獣」に名を変え、毒を撒かれ、懸賞金がかけられました。
価値観とは、こんなにも脆く、恐ろしいものなのでしょうか。たった数十年で、何千年と続いてきた山の秩序は崩れました。この事実に、どうしようもない無力感と静かな怒りを覚えます。山の“番人”だったオオカミを失った現代の山々を見れば、結果はあまりに明白です。
増えすぎたシカ、荒れる植生、人里に近づくクマ。そして私たちは、またも「駆除か共生か」で揺れています。
🐺「野生動物の管理」
その言葉の裏には、“オオカミが担っていた役割を、人間が代わりにやろう”という、どこか傲慢な響きすら感じます。
もし、古来の“畏敬”の感覚を失わずにいられたなら…。救えた命はあったのでしょうか。
ニホンオオカミはもう戻りません。
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🐺世界が語る“オオカミの帰還”の意味
イエローストーン国立公園では、絶滅していたオオカミを森に戻したことで生態系が劇的に回復しました。
・シカが動きを変え、6年で木々が4倍に増え ・鳥が戻り ・ビーバーがダムを作り
・川の流れすら変わった わずか1種の復帰が、森全体を蘇らせたのです。
生態系とは、つながりの奇跡そのものです。
ドイツでも100年以上の絶滅状態を経てオオカミが戻り、自然保護団体は喜ぶ一方、住民の不安や家畜被害への対策など、社会は今まさに学び直しの最中にあります。
野生動物の復活は、決して「喜び」だけではありません。
けれど、人間と自然の新しい関係を探す、その大きな一歩でもあります。
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オオカミのいない山で、私たちは何を引き受け、どう生きていくのか。
それは、おそらく「オオカミの代わりになる」ことでも「山の神様になろうとする」ことでもありません。
ただ、山の一部として謙虚に在り続けること。失われたものの“声なき声”に耳を澄ませること。その“欠けた存在”の大きさが、私たちに今なすべきことを教えてくれるのだと、私は思います。
答えはまだ見つかりません。それでも、考え続けることだけはやめたくないのです😇
#生物多様性 #ニホンオオカミ #生態系のバランス
#野生動物との共生 #ワイルドライフ
video by shiho_animal_rightsreference:織山英行/JABO
https://www.shinrin-ringyou.com/kinou/f01.php 【生物多様性保全機能(森林の持つ公益的機能)】より
生物多様性保全機能
森林は「生き物の宝庫」といわれるように、世界の陸上動植物の約8~9割にあたる160万種もの生物が暮らしているといわれています。草原や乾燥地帯などに比べても、森林は圧倒的に多様な生き物を育む場所なのです。こうした多様な命を守り続ける働き(遺伝子や生物種、生態系を守り続ける働き)を、「生物多様性の保全機能」と呼びます。
森林には、鳥類、昆虫類をはじめとする多くの野生動植物が生息・生育しています
特に日本は、国土の約7割が森林に覆われ、四季折々の豊かな降水量に恵まれています。そのため、乾燥地帯や高緯度地域と比べても、生物多様性がきわめて高い国のひとつといえます。
森が生き物と人間にもたらす恵み
森林は動物にとって身を隠す場所となり、木々がつくる日陰や湿度の安定した環境は、多くの生き物にとって暮らしやすい条件を与えます。そこに植物や昆虫、鳥や獣が集まり、食物連鎖や複雑な生態系が形づくられていきます。人間もまた、その恵みを受けています。木材や食料の供給はもちろんのこと、森林にはまだ利用されていない薬や工業資源の原料となる可能性を秘めた生物も数多く眠っているのです。
しかし、森林が失われると、こうした生態系のバランスが崩れ、絶滅の危機に瀕する動植物が増え、人間社会にとっても大きな損失となります。未来世代にまで影響が及ぶ可能性も否定できません。
未来へつなぐ森林保全の課題
かつて「日本人は水や空気は無料だと思っている」といわれましたが、森林やそこに息づく生物多様性についても、同じようにその価値が見過ごされがちでした。とはいえ近年では、絶滅危惧種の保護や国や自治体による保全施策、市民の環境意識の高まりによって、少しずつ状況は変わりつつあります。一方で、林業、里山の利用、自然保護など、立場や関心の違いから価値観が交錯し、どのように折り合いをつけて森林を守っていくかが大きな課題となっています。
これからの時代、森林と生物多様性を守るには、行政だけでなく、市民や科学者、地域社会が協力し、広い視野で取り組んでいくことが欠かせません。森林を次世代へつなげるために、私たち一人ひとりも関心を持ち続けることが大切です。
森はどうして「生き物の宝箱」なの?
みなさんは森に入ったことがありますか? 森の中では、鳥の声が聞こえたり、虫が飛んでいたり、いろいろな植物が生えていたりします。実は、森には草原や砂漠よりもずっとたくさんの生き物がくらしているんです。その数は、地球の陸にすむ動物や植物のほとんど、8~9割にものぼるといわれています。
森は生き物のすみか
森は大きな木や小さな草がたくさん生えていて、動物たちにとってすごくすごしやすい場所です。木のかげは夏でもすずしく、落ち葉や草のあいだから小さな虫がかくれることもできます。鳥は枝の上に巣をつくり、リスやサルは木の実を食べます。森はまるで大きなアパートのように、いろいろな生き物がくらしているのです。
森があるから人も助かっている
森に生き物がたくさんいると、「食べる・食べられる」のつながり(食物れんさ)ができあがります。そのおかげで自然のバランスが保たれています。人間も森から木材や食べ物をもらったり、薬のもとになる植物を見つけたりして、大きなめぐみを受けています。
森を守ることは未来を守ること
でも、森がなくなってしまうと、生き物がすめなくなり、絶滅してしまうかもしれません。そうなると自然のバランスがくずれ、私たちの生活にもえいきょうが出てきます。だから、森を大切にすることは、未来の人びとのくらしを守ることにもつながります。
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