ふらんす堂百句シリーズ


https://www.asahi.com/articles/ASR5M736RR4VUTNB009.html 【詩歌の世界、本で寄り添う出版社 熊谷女子高卒業生の山岡さんが代表】より

ことばの一つひとつを慈しむように、詩歌の世界を編集してきた小さな出版社「ふらんす堂」が、東京都調布市にある。代表で編集、営業もこなすのが山岡喜美子さん(72)。埼玉県立熊谷女子高校の卒業生だ。フランスのロマン・ロランやイギリスのサマセット・モームの小説に親しんだ熊女生は、今も文字の世界で奮闘中だ。

 ふらんす堂は1987年3月3日に設立された。それまで山岡さんは俳句やエッセーの出版社「牧羊社」で編集者として10年ほど働いていた。

 高校時代は世界文学全集を読みあさった。「ジャン・クリストフ」「チボー家の人々」……。「本の中にすべての答えがあると思った」と思うほど、文学にのめり込んだ3年間だった。大学では詩にも慣れ親しんだ。

 そんな高校時代に身につけた素地も影響したのだろうか。多くの作家と仕事をするうちに仕事が認められ、俳句の大家からも「独立するなら応援する」と励まされるようになった。

 そんな言葉に背中を押され、ふらんす堂を立ち上げた。社名は、萩原朔太郎の「ふらんすへ行きたしと思へども」から始まる詩「旅上」からつけた。

 創立時から守り続けてきたのは、「紙の本として後世にまで残すこと」。出版の世界もデジタル化しつつある時代だからこそ、その思いは一層強くなっている。山岡さんは「詩歌の世界では商業出版ではできないきめの細かい本作りができる」と説明する。

 その一つが装丁。表紙の四方をグラシン紙とともに中に折り込んでいく「フランス装」や、背の部分と平の部分がそれぞれ独立している「ドイツ装」など、作者の思いに寄り添った手作りの装丁をすることが可能だ。こうした製本技術を持った職人も減ってきており、山岡さんは日本の製本技術も残していきたいと思っている。

 年間70~80冊は出版する。山岡さんとその家族、デザイナーの3人が編集スタッフだ。仕事の柱は、作家が雑誌に発表した作品を句集や詩集として出版することと、自費出版だ。作者とその作品に向き合い、装丁から構成まで手間ひまを惜しまない姿勢が多くの詩人、俳人から信頼されてきた。

 今年1月、第62回俳人協会賞には森賀まりさんの「しみづあたたかをふくむ」が、第46回同新人賞には高柳克弘さんの「涼しき無」がそれぞれ選ばれた。詩の世界でも河津聖恵さんの詩集「綵歌(さいか)」が第41回現代詩人賞を受けた。いずれもふらんす堂から出したものだ。

 若手俳人の育成にも力を入れている。

 山岡さんが編集者時代に知り合った俳人で、45歳で亡くなった田中裕明さんにちなんで創設した「田中裕明賞」がそれだ。「俳句は大衆文学ではあるけれど、難しく深い。だからこそ続けがいがあります」。創作意欲はさらに高まっている。


https://fragie.exblog.jp/33864956/ 【百句シリーズも充実しつつあります。。。】より

(略)

「百句シリーズ」の新刊の刊行が春から夏に集中することになりそうである。

まもなく岡田一実著「篠原梵の百句」を下版にする予定である。

ほとんどの作品が知られていない篠原梵の百句を紹介することはシリーズとしてもたいへん意味があると思う。岡田一実さんが情熱をもって取り組んでくださった一書である。ノンブルと索引の照合を来週にして装釘がきまったら校了、下版。

つづいて、石嶌岳著「皆吉爽雨の百句」、すでに初校ゲラは送ってあるのだが、執筆者の石嶌さんは資料にあたりなおして、じっくりと取り組みたいとおっしゃっている。皆吉爽雨へのあたらしい視点なども加えて意欲的にとりくんでくださっている。

あるいはこちらの方がはやい刊行になるかもしれないが、井上泰至著「夏目漱石の百句」。昨日初校ゲラをお送りしたところである。資料をおかりして校正も十全なゲラをお送りしたので、スムースに進むかもしれない。井上泰至さんは、お仕事もテキパキとはやそうである。あらたなる漱石に出会える一書である。

そして、秋尾敏著「河東碧梧桐の百句」。これは是非に出版したいと思っていた一冊である。執筆者の秋尾さんもずいぶん力をいれられていろいろと資料をしらべて仕上げられたようだ。碧梧桐はなかなかとっつきにくい俳人である。本書は伝記的に書かれているので入門書として恰好のものとなると思う。今日、初校ゲラをおおくりした。先日お目にかかったときに「多くの人に読んでもらいたい」とおっしゃっていた。

それから、仲寒蟬著「相馬遷子の百句」。こちらはゲラが整いつつある。同じ医師としての立場から執筆されているということもあって新鮮に読める一書となると思う。

ひきつづき、坂本宮尾著「竹下しづの女の百句」、小山玄紀著「八田木枯の百句」が入稿。

「しづの女」は読みはじめているがおもしろい。「木枯」はまだこれから。読むのがたのしみ。

このシリーズのみならず、同時にすすめているものがほかにもあるので、時間をみつけて読んでゲラに整えたいと思う。

「河東碧梧桐の百句」の校正のためにお借りした資料。(略)


https://fragie.exblog.jp/33864956/ 【】


コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000