https://www.longtail.co.jp/~fmmitaka/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=19970530&tit=%90%CE%9E%D6%82%CC%89%D4&tit2=%8BG%8C%EA%82%AA%90%CE%9E%D6%82%CC%89%D4%82%CC 【季語が石榴の花の句】より
花石榴生きるヒントの二つ三つ
森 慎一
物とこころが瞬間にぶつかって句が成る。よくあることなのだろうか。人事句でありながら、花石榴(はなざくろ)の実が一樹にぽつりぽつりとあるのを、永年見つづけてきた人の句。花はたくさん咲くが、実は少ない。やはり、二つ三つ。『風のしっぽ』所収。(八木幹夫)
https://blog.goo.ne.jp/kanekuti3515/e/80476801365d57d869eb6319b3879294 【石榴の花】より
今日は少し凌ぎやすいかと思っていましたら、とんでもありませんでした。山口県にも熱中症に気を付けましょうと、高温注意報が出ていました。わが旦那様はそれをものともせずに、ゴルフへ…元気のよいこと! ご苦労なことです。でも、しっかりと水分補給をして頑張って下さいねとは言いましたよ。私は久し振りに時間ができたので、整形外科へリハビリ体操へ。これも結構シンドイですが…。今日は「石榴の花」。この木も2年前丸裸になるぐらいに伐り詰めていましたので、去年は全く花が咲かずじまい。だから当然実もありませんでした。(笑) 毎年、少ないながらも〝ザクロ酒〟を作るのが楽しみだったのに…、とても残念でした。それが今年は少しですが、花を付けて、ウレシイ!そして、よく見ると上の方にたった一つですが、もう実が付いていました。
石榴(ざくろ)は、ペルシャ・インド原産で、栽培の歴史はきわめて古く、ザクロ科ザクロ属の落葉小高木。幹には瘤(こぶ)が多くあって、分枝も多く刺(とげ)があります。葉はつやのある細い楕円形で対生。日本には平安時代ごろ渡来したらしい。6、7月頃筒状で多肉の萼(がく)をもつ、朱色または深紅の六弁花を枝先に咲かせ、秋には大きな球形の実が生る。実のならない八重咲きのものは花石榴といい、白・淡紅・朱・絞りなどの種類があります。盆栽などにする矮小種(わいしょうしゅ)の姫石榴というのもあるようです。スペイン語でザクロはグラナダといい、そのザクロが多く植えられていたことに由来するというグラナダ、そこにある有名なアルハンブラ宮殿も6月は石榴の花が咲き乱れるそうですよ。
若者には若き死神花柘榴 中村草田男
解説のいらない句だと思うのですが、石榴には、その花の色や熟して赤く裂けた実からくるのか、どことなく死とつながるようなところがあって、いろいろな人がそのような句を詠んでいます。以前にも書きましたが、草田男の代表作に〈万緑の中や吾子の歯生え初むる〉がありましたよね。この句の季語「万緑」は、初めて草田男が王安石の詩から引用したもので、それが多くの人の共感を呼び、その後季語として定着したものなんですが、その王安石の詩、「詠柘榴詩」(ざくろをよんだ詩という意味)の一節「万緑叢中紅一点」の「紅一点」というのが柘榴の花のことなんですよ。このようにどこかで何となく繋がっていたなどということに気が付いたりするのは、発見とまではいかなくてもとても面白いことだと思いませんか?エッ、一人で勝手に嬉しがったりして…バカみたい!
https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12857642256.html 【花石榴魔除けの色に咲きにけり】より
花石榴魔除けの色に咲きにけり
( はなざくろ まよけのいろに さきにけり )
もう十日も前になるが、近くの大学の裏手に植わっている「石榴(ざくろ)」が、花を咲かせているのではと思い見に行ったところ、樹木ごとばっさりと伐られていた。
大木だが、かなり古びた木だったので止むを得ないのかもしれないが、非常に残念な気がした。ただ、その近くに若い木が数本植わっていて、多くの花を付けていたのが救いだった。
ところで、いつも悩むことだが、「石榴」の花の色を何色というべきか。人により「赤色」といったり、「朱色」といったり、「紅色」といったりと必ずしも定まっていない。
そこで、その違いをネットで調べると、次のような説明があった。
◎「赤」「朱」「紅」は、どれも英語でいう「レッド」系統の色を指すが、三つの言葉は次のように使い分けるのが一般的である。
【赤】最も一般的に使われている赤系統の色を表す言葉
【朱】黄ばんだ赤、オレンジ色に近い赤
【紅】赤い色の鮮やかさを強調するときに使う
それぞれの色見本も示されていたが、正直、説明なしで見せられたら恐らく区別はできないだろう。ただ、自分の感覚からすれば、「石榴」の花の色は「朱色」がもっとも近いような気がする。
この「朱色」という色は、神社の鳥居や神殿によく使われているが、その理由について、「朱色は、生命の躍動を表すとともに、古来より災厄を防ぐ色としても重視されてきた。また、穢れを払う色とも言われている」という説明があった。
*但し、朱色に塗られるのは、平家由来の神社(厳島神社など)や稲荷神社系列の神社などで、平家が権力を持つ以前の神社(出雲神社など)や源氏系の神社(三島神社など)、桓武天皇系でない皇族の神社(伊勢神宮、明治神宮など)は朱色ではない。
前書きが、かなり長くなったが、本日の掲句は以上のことを踏まえて詠んだ句である。「石榴の花」「花石榴」は夏の季語。「石榴」「石榴の実」「実石榴」は秋の季語。
因みに、「石榴の花」「花石榴」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 万緑に泳ぐ金魚か花石榴
② 花石榴鳥居の色に似せて咲き
③ 図書館に紅一点の花石榴
①は、「石榴の花」を真っ赤な「金魚」に喩え、緑葉の上を泳ぐように咲いていると詠んだもの。「万緑(ばんりょく)」「金魚」「花石榴」がともに夏の季語なので、季語が三つの季重なりの句になった。
②は、石榴の花の色が、平安神宮の大鳥居の色と同じだと気付いて詠んだ句。本日の掲句の元となった。
③は、図書館の駐輪場に植えてある「石榴」の花を見て詠んだ句。尚、「紅一点」はある漢詩が語源になっているが、その漢詩で詠われた「紅」は「石榴の花」を指すそうだ。
「石榴」は、ザクロ科ザクロ属の落葉小高木。原産地はイラン、トルコなど。5月~6月に鮮紅色(朱色)の花をつける。既述の通り、果実は球状で秋には真っ赤に熟す。
漢名では、かつて「安石榴」と書かれていた。「安石」とはペルシャのことをさし、「榴」は果実が瘤(こぶ)に似ているところから、木に成る瘤という意味。日本に来て、安がなくなり「石榴」という表記になったとのこと。*「石榴」は「柘榴」とも書く。
*石榴の実 (昨年の9月末に撮影)
ところで、「石榴の花」は、鮮やかな朱色(紅色)で近づいて見れば可憐な感じがするが、花が小さくまばらに咲くので、それほど華やかな感じはしない。なのに何故庭木として好まれるかというと、花だけでなく、その果実や黄葉が美しいからだと言われている。
これまで、何度か紹介したことがあるが、それをまとめたのが「石榴の変身物語(2019年改訂)」という記事である。自分としては、まあまあの出来と思っているので、ぜひ以下のリンクにアクセスし、ご笑覧いただきたい。(もう見飽きたという人はパス。)
「石榴の変身物語(2019年改訂)」 ← クリック
*割った石榴の実 (果物店で買ったもの)
「花石榴」「石榴の花」を詠んだ句はままあるが、今回も記事が長くなったので、参考句の掲載は割愛する。
https://note.com/lovely_avocet732/n/nf1d767953959 【今日の俳句 石榴の花】より
近所の少し脇道に入ったところに石榴の花が咲いている。石榴の花というと、「万緑叢中紅一点」や鬼子母神を思い出す。「花石榴」というと、一般的に観賞用の八重の石榴をさすが、山吹の八重と同様に実を結ばない。
老木に咲きし石榴の紅きこと 石榴咲く緑の葉より浮き上り
石榴咲く紅い口紅似合ふ女 石榴咲く下で熟女の立ち話
園児らに保母の教える花石榴
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