Facebook寺島 義治さん投稿記事
「ストイック」というのを、日本人は全員勘違いしているかもしれないそうだ。
というのも、ストイックの訳語として日本では「禁欲的」「克己的」が流通しているから。
本来は、全然ちがうらしい。
あえて和訳すると、ストイックというのは「理性的」「哲学的」に近いようだ。
英語ストイック stoic の語源はギリシャ語の ストイコスστοικός で、これは「柱廊」を意味するそうだ。古代アテネでは写真のような開放的な柱廊でよく市民に哲学講義が行われていて、そこから哲学のことをストイコスと呼ぶようになり、この時代の哲学を「ストア派」と呼ぶようになった。ストア派(stoicism)の哲学を実践するひとを stoic と呼ぶのである。
で、そのストア派が重視するのが、仏教と良く似た「中庸」なのである。
自分自身のココロをよく観察し、感情を極端に揺り動かすことなく「不動心」を養うべきだ、と説く。
欲望や感情の起伏を理性で制御し、「アタラクシア」という心の絶対的な平穏をもたらす特異点に至ることを目標としていて、これも煩悩を制御し「ニルヴァーナ」に至ることを目標とする仏教と酷似している。
目標はあくまで「心の平穏をもたらす」ことだそうだ。そのために理性の活用があり、自己観察がある。ストイックという言葉を「自分に厳しくすること」という意味で使うのは正しくないし、また勝利を得るとかの目的のために、禁欲的に努力することもストイックではない、ということになる。目的はあくまで「心の平穏」であって「勝つため」「得るため」ではない。
むしろストア派的には、そうやって勝ちや利益に執着することこそ中庸から外れるわけで、まったくストイックではない(哲学的ではない)といえる。
おそらく、理性的に感情を制御することはとても難しいので、部外者からは「我慢している」「禁欲をしている」ように見えたのだろうと思う。
だからストイックという言葉は日本だけでなく、海外でも同様に禁欲的な意味を持つ場合もあるそうだ。自分自身を追い込み、自己否定を重ねて苦行のような禁欲生活を送るのは、じつはストア派とは全く異なる哲学原理「グノーシス主義」のものだそうだ。
グノーシスは「智慧」という意味で、世界を物質と霊に分類し、物質を悪として、霊を善とする。だから物質=この世の中すべて=肉体は、完全な「悪」であって、肉体である自分と、肉から生まれた欲、物質世界であるこの世をすべて否定し、物質から完全に離脱すれば「霊的存在」と同化し、最終的に「グノーシス=真なる智慧」を得られると考える。
だから自分を痛めつけるような極端な禁欲と荒行があるそうだ。
つまりグノーシスは「だいぶアレ」な考え方で、アレすぎるから、もう絶滅した。
グノーシスとストイックとは全く違うのに、「自分をイジめる」ことをストイックだとか言ってたら、グノーシスさんに「それ、オレのやつ! 」って怒られるぞ。
気をつけよう。ヒトのネタをパクるのは、最低な人間がやることである。
https://www.hibari.jp/weblog00/archives/2012/08/post_1464.html 【学校とは】より
学校は英語でschool(スクール)です。その言葉はラテン語のschola(スコラ)「学校」から、そのラテン語schoraはギリシャ語のskhole(スコレー)「余暇、ひま」からできた言葉だそうです。
古代のギリシャでは、学問ができるのは労働に従事することなく生活に余裕のある貴族しかなく、その貴族たちが生活の余裕、余暇を利用して教養を身につけたことから、ギリシャ語の「余暇、ひま」が学問という意味になり、その学問をする場所として学校という言葉ができてきたといわれています。
語源は一部の者が他人の犠牲の上にできた「余暇、ひま」を利用しておこなっていたものかもしれませんが、現在は違います。現在の学校は、「教育は、 人格の完成をめざし、平和的な 国家及び社会の形成者として、必要な資質を備えた」「国民の育成」をめざす。そのため、ある一定期間、義務教育として「国民は、その保護する子に、」「普通教育を受けさせる義務を負う。」と教育基本法にあります。ここから、自ずと「誰のために」「何のために」学ぶのかということがはっきりと読み取れます。
ともすれば、学ぶ目的や意義を忘れがちになるときがあります。自分のためだけであれば簡単に投げ出すこともあるかもしれません。しかし、今、自分が学校で学習やクラブ活動に打ち込めるのは、親を始め社会の支えがあるからこそであり、社会全体が作り出してくれた「余暇、ひま」があるからこそできるのだということを考えれば、簡単には投げ出せないはずです。また、そこでの努力や苦労が自分のためにもなるのだと思います。
創立の精神「孝道」、校是「高志・自律・努力」も、めざすべき姿である「社会で活躍するリーダーの育成」も、ここからきているのだということを再確認する必要があります。
https://ontomo-mag.com/article/column/shun-gakugo63/ 【リズム:語源は古代ギリシャ語で流れるの意。リズムの概念とは?】より
大井駿 指揮者・ピアニスト・古楽器奏者
1993年生まれ、東京都出身。2022年、第1回ひろしま国際指揮者コンクール(旧:次世代指揮者コンクール)優勝。パリ地方音楽院ピアノ科、ミュンヘン国立音楽演劇大学古楽...
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パウル・クレー《狭いリズムと自由》(1930年)
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「生活のリズムが狂っている」や、「リズムにノってるね!」など、日常でも使い勝手のいい言葉として用いられる言葉、リズム。何気なく使っている言葉ですが、この言葉を遡ると紀元前までたどり着きます……!
リズム(英語でrhythm、フランス語でrythme、イタリア語でritmo)という言葉は、古代ギリシア語のレオー(rheo/ῥέω)という言葉が語源で、意味は流れる。この言葉から名詞に派生した、流れや動きを表すリュトモス(rhythmos/ῥυθμός)が、現在のリズムという言葉につながっていきます。ドイツ語では、現在でも古代ギリシア語とほぼ同じつづり(Rhythmus)が使われています。
音楽史の中では、紀元前5世紀ごろに使われ始めたと言われています。
ちなみに、古代ギリシアの哲学者プラトンは、リズムの定義として、「リズムとは動きの配列である」と述べています。…….プラトンさん、なかなか難しいことを言いますね! この「動きの配列」にはいろんな意味がありますが、わかりやすくするために、人間の1日に置き換えてみましょう。
大きいリズムと小さいリズム
例えば、朝起きる時間も、3食のご飯も、夜寝る時間も、いつも同じ時間に行なっている人を見ると、「お、生活リズムがいいね!」「リズムの整った生活習慣だね!」なんて言いたくなりませんか? ここでいうリズムは、一連の流れ(1日)の中にある、いくつかのイベント(食事)の反復のことをいいます。
さらに、この3食のご飯を食べる時間の間隔のことも、リズムといいます。例えば、いつもとは違う時間にご飯を食べたり、ちょっと夜更かしして、いつもより遅い時間に寝たりすると、「リズムの違う1日を送ってしまった」って言いたくなりませんか……?
一連の流れの反復もリズムといいますが、その中での小さなイベントの配列もリズムというわけです。リズムはリズムによって構成されているのです。
難しいかもしれませんが、簡単にいってしまえば、リズムとは概念のようなものです。1日の小さな反復もリズムですし、春夏秋冬が毎年繰り返される大きな反復もリズムなのです。
組み合わされたリズム
音楽において、リズムは音楽を構成する上で基本的な要素の一つです。ずっと均等な間隔で音が鳴っているのもいいですが、音の間隔が広かったり、または狭かったりと、バリエーションがあっても面白いですよね。
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92〜第1楽章
符点のリズムがずっと繰り返されています。
ここでは、トランペット(Clno.)とティンパニー(Timp.)と低弦(Vc. e B.)が同じリズムが繰り返すリズムを演奏しています。
さらに、いろんなリズムを同時に組み合わせてみても、面白いです。同時に違うリズムがなっていることをポリリズムといいます。
例えば、ラヴェルのピアノ三重奏曲を見てみましょう。上2段のヴァイオリンとチェロは4/2拍子で書かれているのに、下のピアノは3/4拍子で書かれています。同時に弾いているのに、拍子もリズムもまったく違うのです!
これもポリリズムの一種で、ここで生み出される不思議なグルーヴ感は病みつきになってしまいます!
リズムは、音楽には外せない大きな要素。それぞれの音楽にあるリズムに耳を傾けて、身体を躍らせて、楽しんでみましょう!
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