facebook畝川 晶子さん投稿記事
ブログを更新!ランブル翠玉集エッセーに『自他救済の俳句ー「俳句療法」』を寄稿しました。五島高資先生の論文も参考に引用させていただきました。深謝!健康と幸福に寄与しますように。
http://akoron557.blog.fc2.com/blog-entry-296.html 【ランブル翠玉集エッセー『自他救済の俳句~俳句療法~』】より
ランブル2025年5月号(No. 327)が届きました。
結社でも、句友から「医薬翻訳」って何を訳しているの?と聞かれることが多いのですが、そんな医薬翻訳者の視点からエッセーを寄稿しました(^^)。ご高覧いただければ幸いです。(文字数少なすぎ(^^;)。もっと長めに書きたかったです。)
自他救済の俳句 –「俳句療法」 畝川晶子
私の生業は医薬翻訳者であり、研究者の医学論文、薬物耐性の政策研究、新薬の開発に関わる治験文書等を訳している。医療従事者ではないが、「命」に関わる仕事であるため、命の大切さや人の健康と幸福には深い関心を抱いている。
俳人はしばしば俳句を「心の支え」「生きる活力」「生の証」などと称し、俳句を杖として生きるという。実際、初学の頃、主宰から父である上田五千石は「俳句をやると幸せになれるよ」が口癖だったと伺った。俳句は人の心を救うのだろうか。
見渡せば、医療の世界でも西東三鬼、中田みづほ、高野素十、水原秋桜子、平畑静塔から、細谷亮太、谷口智行、五島高資など、多くの医師が俳壇で活躍している。一〇四歳で記念句集を出した聖路加国際病院名誉院長の日野原重明は、いじめに苦しむ少年に俳句文通で寄り添った。病院のデイケア室や医学部俳句部で俳句を指導する医師もいる。
医師の句集を読むと、患者に寄り添う人としての温かさを感じる一方、看取りや別れなどの深い悲しみを、俳句独特の客観的表現からも読み取ることができる。医師も俳句で感情を整理し、詩へ昇華させているのだ。その点でも、俳句は自他救済の役割を担っている。
意外なことに、「俳句療法」は米国で発祥したとされる。俳句療法では、テーマに沿って俳句を詠み、助言者が鑑賞・助言することで深層心理や精神的交流を促し、ストレス軽減を図るとされる。五島高資は『俳句療法という新たな展開』(『俳句スクエア二〇二四同人年鑑』)の中で、俳句療法の概要として、「セルフコントロール」「マインドフルネス」「自己探求と洞察」「人間関係の円滑化」「高齢化社会におけるメンタルヘルスケア」などを挙げている。科学的エビデンスが確立されれば、俳句療法が一般にも広まり、健康と幸福に寄与する日が訪れることを心から願う。
コメントのやり取り(抜粋)
斎藤 信義
今日も深く拝見致しました。五千石先生も「俳句療法」で救われたお一人ですが、私にも同様の体験があります。40代にある特養老人ホームでの「俳句教室」担当時に、講座に参加していた老人入居者の一人が頭痛持ちで10分と静止しておられず、講座の邪魔をしていたのですが2、3年ほどしたらこの講座中は頭痛が起きなくなり、熱心に俳句を作り仲間の添削までするようになった。このことを主治医の自治医大の教授に報告したら「立派な治療だから続けるように!」と言われたと話してくれ、正常な生活に戻ったのを見ている。
畝川 晶子
斎藤 信義 先生
お読みくださり、ありがとうございます🙇♀️。光栄に存じます。私も、斎藤先生が五千石先生に師事されていたことを某書籍で拝見し、とても嬉しく思いました。俳句への取り組みは多様かと思いますが、主宰もいつも俳句は勝ち負けではないとおっしゃっています。幸せになるための俳句であってほしいものです。貴重なご経験談を共有してくださり、ありがとうございます💓。深謝まで。
https://ranyokohama.amebaownd.com/posts/32093833 【上田五千石】
https://ranyokohama.amebaownd.com/posts/32096167 【写生を超える不易流行】
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