https://blog.goo.ne.jp/suiyoukaji/e/91c5b9139809a2ae40c1f102724bce95 【キツネササゲ:狐豇豆(筒状花が特徴)】より
キツネササゲ:狐豇豆(マメ科ノササゲ属)は、別名ノササゲ:野豇豆ともいわれるつる性の一年草で、本州、四国、九州の山野に普通に生えます。牧野図鑑ではキツネササゲですが、最近の図鑑ではノササゲで出ていることが多いようです。(明日からの記事に関係しますので敢えてキツネをとりました)
茎は針金状にのび紫黒色になります。葉は互生し、小葉の長さは5~10cm、裏面は白色を帯び伏毛があります。
夏から秋に長さ5cmくらいの花序をつくり、1.cm~1.5mほどの筒型の萼の先に長さの淡黄色の蝶形花を数個ずつ下向けにつけます。
豆果は長さ2.5cm~5cmで、数珠上にくびれ、熟すと紫色になり、種子は黒紫で白い粉をかぶっています。
ササゲは普通隠元豆といわれ継体記にも見える古い野菜ですが、このノササゲは食用にはなりません。
https://www.nissay-midori.jp/news/details/1718 【《森の植物の歳時記》[224]【ノササゲ(野豇豆 野大角豆)】 別名 キツネササゲ(狐豇豆 狐大角豆)】より
雑木林の林縁部で、やや薄暗いようなところに絡んでいるのを見かけます。花より豆果が魅力的という声を多く耳にします。
1961(昭和36)年改訂の牧野植物図鑑ではキツネササゲ(ノササゲ)とされており、解説に「本種は通常、山地にはえ、原野には生えないのでノササゲの名は適当ではないから、キツネササゲと改名した」と記されています。黄色い花をつけることからキツネササゲなのでしょうが、現在、図鑑の大部分ではノササゲの名が使われているようです。
野に生えるササゲの意と思われますが、花が薄紫色のササゲとはちょっと似ていないかな?などと思ってしまいます。あえて言えば、葉の形が少し似ているでしょうか?
黄色い花より人気の豆果は濃紫色で、薄暗い林を背景に、神秘的と表現される方もあります。熟した豆果は裂開して5×5㎜と、やや大振りで黒紫色の豆が現れますが、莢に付いたままで、遠くに弾け飛ぶことはありません。そのまま下に落ちるか、鳥に食べられるのを待っているという説があります。
ササゲの豆は食べられますが、ノササゲの豆は食べられませんので気をつけてください。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
http://www.simoyokote.sakura.ne.jp/saizikidousyokubutu/yasou/nosasage/nosasage.html 【ノササゲ(キツネササゲ)】より
暮らしとの関わり
石黒では普通に見かける。とくに山道の縁の低木に巻き付いたノササゲをよく見かける。
花の時期よりも秋に鮮やかな紫色の実を下げたノササゲが目をひく。果実のさやの色も淡紫色から濃紫色まで変化に富み、何れも美しい。
ところで、種子が、割れてねじれたサヤからなかなか離れないのはなぜであろうか。マメ科の草はツルアズキのようにサヤがはじけることで種子を飛ばすものが多いのにノササゲの種子は真冬になってもついたたのものを何度か見かけた(下写真)。サヤははじけてねじれるのでタネは容易に脱落すると想われるのだが・・。
その目的は、鳥に果実を見せびらかしてサヤを食べてもらうか、くちばしで突つかせで種子を少しでも飛ばせる戦略ではないか、だが、鳥に食べられて消化してしまってはおしまいだ。もしかすると鳥に消化しにくい特別な種皮に被われて居るのかも知れない。飼い鳩を使って調べられないか、などと考えるのも楽しいものだ。
牧野図鑑に「本種は通常、山地に生え原野には生えないのでノササゲは適当ではないから、キツネササゲに改名した」とある。
今日(2014.10.29)平井の山で果実のよくついたキツネササゲに出会った。家に帰って写真を見ると虫の穴らしいものが見られ中に昆虫の脚らしきものがのぞいている。ヤマフジなどの豆果にもこうした穴がよく見られるが、じっくりと観察してみたいものだ。
今年(2016)の石黒の生家跡の小路にノササゲのツルが通る人の体に触れるほどの位置にぶら下がっている。誰も、それを取り除かないところをみると、何か見る人に雑草として取り去るには勿体ないという魅力があるのかもしれない。とうとう、このキツネササゲは12月の初めになってもぶら下がったままであった。
(写真2006.9.7~10.1 寄合)
つぼみ 撮影2008.9.1下石黒 花期 撮影2008.9.14下石黒
幼莢 写真2016.9.3下石黒 美しい紫色の果実 撮影2008.11.9下石黒横手小路
果実期 写真2014..10.29平井 種子に見られる虫の穴 写真2014..10.29平井
12月に見られた果実 撮影2008.12.12下石黒
解 説
マメ科
本州、四国、九州の林の縁などに生えるツル性の多年草。 茎は紫色になり針がね状に長く伸びる〔下写真〕。
葉は互生し長柄があり3出複葉で小葉は長卵形で裏が粉白色で短毛がある(下写真)。頂小葉がやや大きく長さ5~10㎝、幅3~4㎝。小托葉は針状長さ1㎜〔下写真〕。
花期は8~9月。葉のつけ根に数個の黄色い蝶形花を集めてつける。花序の長さ2~5㎝で柄があり、花の長さは15~20㎜。 ガクは筒状で斜めに切れほとんど無毛〔下写真〕。花弁はすべてほぼ同じ長さ。旗弁の基部には内面に耳状の突起がある。
豆果は無毛で熟すと紫色になる。種子は3~5個。黒色で球形。〔左写真〕 名前の由来は野のササゲの意味。別名キツノササゲ。
つるの様子 撮影2007.10.2下石黒 撮影2010.9.1下石黒
小路に垂れ下がったノササゲ 写真2016.8.26下石黒
花拡大と筒形のガク 撮影2005.10.3下石黒 トゲ状の小托葉 撮影2007.10.2下石黒
粉白色の葉裏 撮影2010.10.1下石黒 果実が色づく頃 写真2016.9.15下石黒
豆果 写真2014..10.29平井 種子(虫の侵入穴らしきものあり) 写真2014..10.29平井
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