https://www.kivune2018.com/post/2019_0415_01 【右脳と左脳の働き】より
前回、影絵の女性が右に回転、左に回転で右脳と左脳の見え方をお伝えしましたが、今日はその右脳と左脳の働きについてお話します。
まず、右脳
・左利きの方は右脳をよく使います。・直感力、音楽力、空間認知力に優れています。
・五感で感じた感覚を頼りにするイメージ派。・動物的本能を持っています。
・よく夢を見る方。・集中力、決断力、想像力、問題解決力、願望実現力を高める脳。
・見たものを記憶してそれをイメージできる。・理系脳・理屈っぽい。コミュニケーションノー力が乏しい。・左側の顔(感情が強く、現れる。思わず本音が出てしまう)
↑左側の顔がぎこちない時は噓をついている可能性が高いので噓がバレやすい。
次に、左脳
・右利きの方は左脳をよく使います。・言語力、理論的、計算力、物事の分析力に優れている。・正確性が高く、現実的。。・思考を司ることができる。・科学的理解を解きほぐす。
・可能性を追求する。・感性やコミュニケーション能力があるが、複雑なことは苦手。
・文系脳・理性的・計画性がある。先を読むことができる。
・右側の顔は時に理性的で冷たい印象を与えやすいが、嬉しい時の表情も現れやすい。
どちらが正しいなどではなく、どちらの脳も本来、人間は持っているのですが、
癖の強い脳を極度に使い過ぎているので、いつか破裂することがあるかも(これは大袈裟ですが…)。これは一概には言えませんが、その使い過ぎる側の脳の神経、血管、が労働オーバーで細くなり脳梗塞や脳溢血も引き起こす恐れがあります。
時には休ますことも大切です。また、影絵の右脳左脳の切り替えトレーニングを取り入れることで、アイデアが浮かぶようになったり、コミュニケーションが取りやすくなったりします。
以前、選手に「あなたは左脳を強く使っているから右脳を働かせるトレーニングのため、
食事の時にスプーンやフォーク(日本ならお箸)を持つようにしたらとアドバイスをしました。ただ、それは失敗に終わりました。
左手でフォークを持つことに集中しすぎて、摂取した食事の満足感が脳に伝わらず、間食をするようになり、体重が増加。
すぐさま、それを中止して、左手で文字を書くようにアドバイスをしました。
ただ、選手は毎日練習することはあるけれど、一日で文字を書く時間がほとんどなかったので、これも中断。
そこで考えたのがチャリティーオークションで 出品する帽子やボールに書くサインを左手で書いてもらうことに。最初はカッコ悪いサインでしたが、そこはプライドのあるプロ!
何度も自分のサインの練習を左手で。その結果、右脳が良く使われるようになり、決断力と問題解決力が高まりました。皆さんも試してみては?
https://allabout.co.jp/gm/gc/492069/ 【独立して働くことができる右脳・左脳……大脳半球の研究からわかること】より
左脳と右脳で異なる感じ方・好き嫌い
同じ人間の脳でも、左半球と右半球で感じ方や好き嫌いが異なるようです。大脳半球の研究から明らかになったこととは……
1981年のノーベル生理学・医学賞を受賞したアメリカの神経心理学者ロジャー・スペリーと、その弟子であったマイケル・ガザニガは、左右の大脳半球をつなぐ脳梁を切断された分離脳患者の研究を精力的に行い、「左右の大脳半球が独立して働くことができる」ということを実証しました。そして、今の脳科学で大きな議論の的となっている「機能局在論」に多大な影響を与えました。
前の記事「脳梁を切断するとどうなる?「分離脳」から考える右脳・左脳」では、彼らが行った初期の実験結果を解説しましたが、その後もたくさんの興味深い症例が報告されているので、さらに詳しく解説しましょう。
左手で持った物の名前が出てこない? ガザニガの優れた観察力による発見
スペリーとガザニガに協力してくれた最初の分離脳患者は、W・Jというイニシャルの男性でした。第二次世界大戦の空挺部隊に所属していた彼は、30歳のときに負傷し、37歳で最初の全身性けいれん発作を起こしました。15年間にわたり苦しめられた末に脳梁離断術を受けたのは1962年でした。術後、一時的に言葉が話せなくなっていましたが、1か月後には回復して話せるようになりました。いくらかの感覚麻痺は残ってしまったものの、認知能力には問題がなく、けいれん発作も起こらなくなったので、幸せそうに見えました。
2番目の分離脳患者も、ちゃんと言葉を発することができました。普通の観察者から見れば、左右に大脳が分離されても、何ら問題が生じることはないように思われました。
しかし、ガザニガがある重大な発見をします。言語に問題がないと思われていた分離脳患者が、なぜか左手にもった物の名前をすぐに言うことができなかったのです。しかも、同じ物を右手に持ち替えると、それが何なのか問題なく言えました。これは、前記事で解説したように、左手でもった物の像は、主に左目から右の視覚野に伝えられるものの、右の脳内で言語に変換することができない(言語中枢が左にしかない)ためと説明されました。
その後、ガザニガは、分離脳患者の言語、視覚、触覚、運動に関する数々の実験を行い、左右の大脳半球が独立して情報処理をできることを実証していきました。
思考や意識に関する連想実験から分かったこと
心理学を専門とするガザニガは、単なる感覚や運動だけではなく、思考や意識に関する様々な「連想実験」を思いつき、試しました。
あるとき、分離脳患者の左視野に「雪景色」、右視野に「鶏の足」の写真を見せました。このとき、右の脳には「雪景色」、左の脳には「鶏の足」のイメージが伝わったことでしょう。その後、見た写真に関係するものを、別の写真リストの中から選ぶよう指示されると、左の脳からの指令を受けたであろう右手は予想通り「鶏」の写真を選びましたが、右の脳からの指令をうけたであろう左手は「スコップ」を選びました。また、なぜスコップを選んだのか理由をたずねると、鶏小屋で掃除をするときにスコップを使うと説明したそうです。この結果は、2つの重要なことを物語っていました。
1つめは、左右の脳がそれぞれ独立して判断したことを、右半身・左半身に伝えることができるということです。実際、分離脳患者が自分で服を着るとき、片方の手がズボンを引き上げようとするのに、もう一方の手が下に引っ張り下ろそうとするようなことが生じることがあります。片側の脳が服を着たいと思うのに、反対側の脳は着たくないと思うといった、矛盾が起こることもあるのです。まさに、「1つの体に2つの心が宿る」状態が起こりうるということです。
2つめは、分離脳の状態でも、間接的に左右が影響し合うことがあるということです。おそらく、「雪景色」のイメージを伝えられた右の脳は、雪かきをするときに使う「スコップ」を連想したはずですが、理由を言葉で説明するよう求められたときに、本来右の脳が知らないはずの「鶏」の話がでてきました。それを行ったのはおそらく左の脳です。なぜなら、言葉に表現するためには必ず左の脳が働く必要があるためと、「鶏」を知っているのは左の脳だけだからです。左の脳は、右の脳が選んだ「スコップ」を見て、自分が知っている「鶏」のイメージに合うように言葉で説明するなら、「鶏小屋を片付けるため」と言うしかないと、後付けで判断したのでしょう。つまり、左の脳は、自分が知らないことでも、論理的につじつまを合わせようとする性質があると考えられました。
似たようなことは、他の実験でも起きました。分離脳患者の左視野に「歩け」と書いた紙を出して見せると、おそらく右の脳が読み取って理解し(文字を理解する言語中枢が右にないのにどいうして理解できたかは不明ですが)、運動の指令を出すでしょう。右の脳からの直接指令は左半身に対してしか出ませんが、「両足で歩く」という協調運動を達成するために、脳より下位の脊髄レベルで左右を連動して動かせるので、きちんと歩くことができます。そこで、歩き出したときに何故歩いているかをたずねると、「のどが渇いたから」と答えたそうです。言葉で答えているのは、左の脳の働きです。左の脳は、「歩け」という指令が出たことは知らないので、歩いている自分自身の行動を辻褄が合うように説明しようとしてそう答えたのでしょう。
実際に、分離脳の患者は、自らの行動に対する合理的な説明として「作話」を行うことがあります。私たちが、感情的な欲求に基づいて行動するときは、右大脳半球で本当の動機が生み出されていることが多いのですが、右脳だけでは言語的な説明ができません。コミュニケーションをとるためにどうしても言語的に説明しなければならないときには、左脳が独自に考えて表明しなければなりません。それが「作話」になるのです。左の脳は、人を騙すつもりはまったくないうえに、誤りだとしても気づくことができないので、嘘をついているのとは違います。
読んだ時と聞いた時で答えが違う? 左脳と右脳の「やりたいこと」の差
ガザニガは、P・Sというイニシャルの分離脳患者に、「将来やりたい仕事は何か」という質問が書かれた手紙を見せました。すると、この方は左手で「カーレーサー」と書きました。しかし、事前の聞き取り調査では「製図工になりたい」と語っていたそうです。
両目で読み取られた内容は、左右両方の脳に伝えられ、それぞれの脳が考えるでしょう。おそらく、左の脳が考え言葉として示したのが「製図工」です。しかし、右脳の指令によって左手の動きとして表明されたのが「カーレーサー」ですから、左と右の脳で考えが異なっていたということでしょう。
ちなみに、右の脳に言語中枢はないはずですから、右の脳だけで質問の意味が理解でき、しかも答えを書けたのかは不思議ですね。しかし、様々な研究結果から、右の脳だけでも、簡単な単語や文章であれば、読み書きができるらしいことが分かってきました。例えば、みなさんの目の前に、まったく知らない言語を話している他国の方がいたとしましょう。もちろんその内容は聞き取れず、ちんぷんかんぷんでしょう。しかし、何となく話している雰囲気などから、何を言おうとしているかが分かる気がすることはありませんか。実はこれは、右の脳がやっていることなのです。言語として正確に処理できなくても、右の脳は「ニュアンス」を感じ取ることができるのです。また、長年の経験から、ごく簡単な単語や文章なら右の脳だけでも処理できることがあるようです。
同様なことは、物の好き嫌いに関してたずねたときにも起こりました。左右の脳からの答えが違っているケースが幾度となく確認されました。こうした観察を通して、スペリーとガザニガは「意識が左右に独立して存在する」と結論づけました。
まさに、私たちの脳は、「ジキルとハイド」のようなものなのかもしれませんね。
「右脳・左脳」情報には注意も必要! 拡大解釈も見られる分離脳の研究成果
スペリーとガザニガによる分離脳の研究は、今の脳科学に計り知れない影響を残しました。とくに、脳画像検査技術によって大脳の機能局在の研究が可能になっているのは、脳の各所が独自の機能をもっている(=機能分化がある)という前提があってのことです。この前提が崩れれば、すべての脳画像研究は意味をなしません。この点は、賛否両論あって、論争が続いていることを申し添えておきます。
また、「左右の大脳半球が独立して働く」という発見が歪曲されたり拡大解釈され、あやしい「右脳・左脳論」が世間に流布されていることは憂慮すべきことと思います。「右脳・左脳説」の問題点については、別記事で改めて扱いたいと思います。
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