https://blog.goo.ne.jp/50foxonmyway/e/4ab2b451bf43a7a65917b26204c837e2 【「俳句ミーツ短歌 読み方・楽しみ方を案内する18章」(堀田季何著;笠間書院)】より
著者の堀田季何さんは、俳人であり歌人でもある。だから、俳句も短歌もよく知っている方だ。その彼女が、俳句や短歌について、その歴史やら楽しみ方やらを書いてくれたのがこの本。図書館で新刊として紹介されていたから、借りてきた。本の前半では、和歌から俳句、川柳となるまでの歴史が書かれている。
本書のすばらしいところは、必ず参考となる歌や句が載っているということ。
だから、言わんとしていることが具体的にわかって来る。
特にいいなあと思ったのは、俳句も短歌も、とにかく「自由でいいのですよ」ということ。
例えば、俳句は「五七五」、短歌は「五七五七七」の字数だと思っている。だが、その字数は別に守らなくてもいい。字余りとか字足らずとかよく言ったが、そうでなくてもいいと言っている。現に、字余りゆえに俳句なのか短歌なのかわからないものもある。
童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日日和とはなれり…これは33音で成っているが、俳句なのだとか。
何かせねばおさまらぬ手がこうして石をにぎりしめたり…これは27音だが、短歌なのだそうだ。
こんなふうに具体的に示されると、区別できなくなってしまう。
また、俳句には季語がなくてはいけないと思っていた。だけど、それがなくても成り立つ作品もある。季語という言葉は、明治生まれなのだそうだ。
著者は、主張している。俳句を俳句たらしめるものは、日本語の場合、
一 季語的な、切れで活きるキーワード(場合によってはキーフレーズでもいい)
二 切れ
三 短さ(定型なら満たすが、定型に限らない)
以上の三つであろうと私には思われます。
なるほどなあ。もう一つ、響いた言葉。
俳句は、その短さゆえ、読者が銘々完成させる詩なのです。
俳句は、読んだ読者が、自分なりに感じたことをもとに、詩として完成させるものだという考え方には、共感した。
また、短歌や俳句は、まずは自分の実体験に基づくものでなくてはならないという考え方があるが、著者は、そこにこだわらなくてもいいとも言っている。
そうはいうけど、やはり体験に基づくものは説得力があるのだなあ、と読み進んでから思った。
恋の歌についてもページを割いているのだが、与謝野晶子の歌からは、実体験からくるのだろう、愛欲に関する圧倒的な迫力が伝わって来る。
本の後半には、外国人の作る句や歌についてや、ジェンダー的な考察など、現代的な視点からも書かれていたのは興味深い。
さらに、現代的と言えば、AIについても言及している。
今後、AIによる作品が作られることもあるようになるかもしれない。
だが、確かに1つや2つだとよく見える作品にはなるだろうけれども、作品が多くなるほど意外な言葉と言葉の組み合わせが生み出される偶然性があまり望めなくなり、「なんか前に見たような、つまんない作品ばっかり」になるかもしれないということも、述べている。
なるほどなあ、と思えた。
読んで思ったことは、俳句や短歌を作るなら、自由でいいんだよ、ということ。
専門的な内容も一部入れながらも、一般人である私にもわかりやすく解説されていて面白かった
https://horiei.jp/eden/about.html 【楽園俳句会】より
楽園俳句会は俳句・連句を中心とした詩歌結社です。
俳諧自由の理念に基づき、俳諧普及のため、堀田季何によって2020年3月20日に設立されました。
会誌「楽園」
電子媒体として隔月発行されます。
別途、総集編が紙媒体で年1回発行されます。
有季・超季・無季、定型・自由律、具象・抽象、伝統・前衛、全て「楽園」に投句可能です。
多行や特殊表記も一応可能ですが、誌面の制約上、掲載の難しい場合があります。
投句欄は2つあります。両方に投句できます。
⇒投句規定
【個個集】
スタンダードな雑詠欄です。日本語、英語、フランス語、中国語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語で投句できます。最大6句投句、最大5句選です。名前付の選で、作者の進化や方向性を重視します。
【球体集】
実験的な題詠欄です(季題はありません)。日本語、英語、フランス語、中国語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語で投句できます。1句以上投句できます(10句制限)。バトル・ロワイアル方式で、主宰が良いと思う句だけが掲載されます。無記名の選です。
主宰について
堀田季何
「楽園」主宰、「短歌」同人。
現代俳句協会常務理事、国際俳句協会理事、現代歌人協会・日本歌人クラブ・日本文藝家協会各会員。
句集により、芸術選奨文部科学大臣新人賞、現代俳句協会賞、高志の国詩歌賞、
歌集により、日本歌人クラブ東京ブロック優良歌集賞。
句集『亞剌比亞』・『星貌』・『人類の午後』、歌集『惑亂』、詩歌ガイドブック『俳句ミーツ短歌』他。
多言語多形式で創作。
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