オノマトペ

 【オノマトペと心太】より

 ヤマトコトバの母音の持つリズム、それが我々の頭の中を滑って、言葉の意味と内容が同時にスムーズに受け取れるのが、オノマトペ (擬声語.擬態語)です。

 状態や心情など、音のしないものを音によって表す言葉。「ツンツン」「デレデレ」「ニヤニヤ」などオノマトペとは物事の声や音・様子・動作・感情などを簡略的に表し、情景をより感情的に表現させることの出来る手段として用いられております。

 特に日本語はオノマトペの種類が多く、俳句でもその重要性は高いようです。もしそれを使用せずに情景を表そうとすれば、より多くの言葉を必要としてしまうことでしょう。ぺんぺんとぺんぺんぐさは長くなり(青柳志解樹)。へろへろとワンタンすするクリスマス (秋元不死男)などがオノマトペを上手に使った俳句です。

 一方、冷たくてツルツルの食感がおいしい心太(ところてん)ですが、これは夏の季語です。なぜ「心太」と書くかご存じですか? この「心太」というのは、原料の天草を凝る藻(こるもは)と呼び、凝ったものを「こころふと」と呼び当てられたものです。その後「こころたい」、「こころてい」、「こころてん」を経て「ところてん」と呼ばれるようになったそうな。そこで一句、心太とオノマトペのみで俳句をしたためてみました。「つるつるつるりつるるんてん」......。


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P音(ぱらぱら)、T音(たらたら)、K音(からから)とS音(さらさら)との間にある、大きな違いとは何でしょうか?

秋田喜美さんが日本語の「オノマトペ」の本質に迫ります!

https://mag.nhk-book.co.jp/article/56253?fbclid=IwY2xjawEep8BleHRuA2FlbQIxMQABHVWH1dxsqfJa1WEm-1Wjy1wc0K5s7i-UN-JsCx9tyYvJwqEcgwFAJ1BOAg_aem_feRdxP9NT9_h66UCeJHJ7A 【「さらさら」「しくしく」「すいすい」…S音のオノマトペのイメージとは? 言語学者・秋田喜美さんが日本語のオノマトペを徹底解剖!【NHK俳句】】より

「S音」で始まるオノマトペのイメージとは?

秋田喜美さんの解説を紹介!

これまでP音(ぱらぱら)、T音(たらたら)、K音(からから)を扱ってきた当連載。今回はS音(さらさら)です。P、T、K音とS音の間にある、大きな違いとは何でしょうか?

2024年度『NHK俳句』テキストに掲載の「オノマトペ解剖辞典」は、新書大賞2024(中央公論新社主催)で大賞を受賞した『言語の本質』の共著者で言語学者の秋田喜美さんによる連載です。

オノマトペは「ふんわり」「ひらひら」など擬態語や擬音語の総称です。

様々なオノマトペを俳句とともに徹底解剖するこの連載で、日本語への興味を深め、俳句作りのヒントも学んでみましょう。

今回は『NHK俳句』テキスト2024年8月号から、「S音」のオノマトペに宿るイメージについての解説を一部公開します。

阻害音 S音で始まるオノマトペ

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 本連載ではこれまでに、P音(ぱらぱら)、T音(たらたら)、K音(からから)を扱ってきました。今回はS音(さらさら)です。P、T、K音とS音の間には大きな違いがあります。おわかりでしょうか?

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 P、T、K、Sという子音だけを発音してみてください。P、T、Kは一瞬で消えてしまいますが、Sは[sːːː] と延ばすことができます。Sは摩擦音といって、上の前歯の後ろを呼気が通り抜ける際に起こる空気の摩擦で生じます。そのため、息が続く限り延ばせます。

 S音のオノマトペに宿るイメージは、まさにこの「摩擦」です。それも、抵抗の少ない滑らかな動きに伴う摩擦です。音が出るとすれば、恐らく静かで心地よい音。母の立てる「さわさわ」、菓子を割る「シク」、狐たちの立つ「すっく」、葬列に踏まれた霜柱の「セリセリセリ」、弱い雨の「そぼそぼ」、渓流の「さらさら」、いずれもスムーズな流れや落ち着いた情景を演出するオノマトペです。

 

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 さて、T音の回(6月号)で、「たちつてと」には三種類のTが混在しているという話をしました。実は「さしすせそ」にも二種類のSが混ざっています。仲間外れはどれでしょう?

 ヘボン式のローマ字にしてみると、sa shi su se so。仲間外れは「し」です。すべて「さ」のSで発音するなら「さすぃすせそ」、「し」のSで発音するなら「しゃししゅしぇしょ」となるはずです。英語のsea(スィー)とshe(シー)の区別が苦手な日本語話者が多いのは、この「し」のせいです。どちらのSも摩擦音ですが、「し」のSは舌が盛り上がり、舌先から少し下がった部分で摩擦が起こります。「さしすせそ」と囁いてみてください。「し」のSが他のSより音が高いことがわかります。〈静かに!〉という意味で「しー[ɕː]」と言うのは、この子音が近くの人の注意を引くのに効果的な高音であるためです。英語でもshhh ですね。

『NHK俳句』テキストでは、静けさを表すオノマトペの効果や、それを活用した俳句についての解説なども紹介しています。

講師

秋田喜美(あきた・きみ)

1982年、愛知県生まれ。名古屋大学文学部准教授。専門は認知・心理言語学。著書・編書に『オノマトペの認知科学』『言語の本質——ことばはどう生まれ進化したか』、Ideophones, Mimetics and Expressives など。

※掲載時の情報です

◆『NHK俳句』2024年8月号より「オノマトペ解剖辞典」

◆イラスト:川村 易

◆参考文献:『現代俳句擬音・擬態語辞典』(水庭進編・博友社)/『擬音語・擬態語辞典』(山口仲美編・講談社学術文庫)/『日本語のオノマトペ:音象徴と構造』(浜野祥子著・くろしお出版)/Metaphor and Iconicity: A Cognitive Approach to Analyzing Texts(Masako Hiraga, Palgrave Macmillan)


https://mag.nhk-book.co.jp/article/50823 【「たぷたぷ」「ちかちか」「つんつん」…T音のオノマトペのイメージとは? 言語学者・秋田喜美さんが日本語のオノマトペを徹底解剖!【NHK俳句】】


https://mag.nhk-book.co.jp/article/52477  【「かちかち」「きいきい」「くしゃくしゃ」…K音のオノマトペのイメージとは? 言語学者・秋田喜美さんが日本語のオノマトペを徹底解剖!【NHK俳句】】


https://mag.nhk-book.co.jp/article/49388 【「ぱたぱた」「ぽこぽこ」「ぴん」…P音のオノマトペのイメージとは? 言語学者・秋田喜美さんが日本語のオノマトペを徹底解剖!【NHK俳句】】


https://mag.nhk-book.co.jp/article/46574 【「ふんわり」「ひらひら」…日本語のオノマトペの「型」とは? 言語学者・秋田喜美さんがオノマトペを徹底解剖!【NHK俳句】】


https://www.sakigake.jp/special/2020/haiku/article_79.jsp  【擬音で句を鮮やかに】より

 以下は小林一茶の作品です。 

 がさ〳〵と粽ちまきをかぢる美人哉

 (ガサガサと音を立てて粽に齧かじりついた人。おや、美人ではないか)

 下駄からり〳〵夜永よながのやつら哉

 (カラリカラリと下駄の音。秋の夜長の町で遊び歩いている連中だ)

 朝晴あさはれにぱち〳〵炭のきげん哉

 (晴れた朝は炭も上機嫌。パチパチと火が熾おこる)

 陽炎かげろうにくい〳〵猫の鼾いびきかな

 (陽炎の立つ昼、眠っている猫の鼾は、クイクイという可愛い音)

 ざく〳〵と雪かき交ぜて田打哉

 (春が来た。田んぼに残った雪をザクザクとかきまぜるように、田植に備えて耕すのだ)

 埋火うずみびや白湯もちん〳〵夜の雨

 (炉の埋火があたたかい。白湯さゆもチンチンと沸騰している。雨の降る寒い冬の夜だ)

 本馬のしやん〳〵渡る氷哉

 (駄馬がシャンシャンと鈴を鳴らしながら、氷の張った野原を渡ってゆく)

 いずれも擬音語(ガサガサとかシャンシャンとか)を用いた作品です。一茶には「雪とけてクリ〳〵したる月よ哉」という有名な句があります。雪解けの大地を照らす月光を表現した「クリ〳〵」は擬音語ではなく、擬態語です。ちなみにオノマトペという言葉は、擬音語と擬態語の両方を含みます。

 一茶の句でご覧いたただいた通り、擬音語をうまく使うと生き生きとした音の表現が可能になります。今回はオノマトペのうち、擬音語に着目しつつ投稿句を見ていきましょう。

疾走感を生かす

土鍋炊き蓋ふたゴゴゴォーと夏に入る

 和夏さん(東京都、66歳)の作。土鍋でご飯を炊いているのでしょう。沸騰し、蓋の穴や隙間から蒸気がもれる音、あるいは蒸気で蓋が振動する音を「ゴゴゴォー」と言ったのでしょう。この作品はスピード感が大切です。「ゴゴゴォーと夏に入る」の一気呵成(かせい)は良いですね。いっぽう上五は「土鍋炊き」という名詞の後で軽く切れます。中七から下五にかけての疾走感をもっと生かすためには、上五から中七にかけて文脈がシームレスにつながったほうが良いと思います。

土鍋炊きの蓋ゴゴゴォーと夏に入る

 助詞の「の」を入れて、上五から中七へなめらかにつなぐと、「ゴゴゴォー」に向っての加速感が出ると思います。上五の字余りは気になりません。

 上五中七を句またがりにした「土鍋の蓋のゴゴゴォーと夏に入る」という案もありますが、「蓋」と「ゴゴゴォー」の間に「の」が挟まると、スピード感が落ちてしまいます。「土鍋その蓋ゴゴゴォーと夏に入る」も考えましたが、「炊き」という字があったほうが、炊いている状況がわかりやすい。

 推敲(すいこう)や添削の過程ではいろいろな案を思い浮かべて比較することがあります。それも俳句の楽しみの一部です。

無駄な言葉を省く

鍵束の鈴のちりりと春の暮

 阪上智子さん(神戸市、61歳)の作。鍵束につけた鈴が「ちりり」と鳴った。「鳴る」という動詞を省略したのは巧(うま)いところ。「ちりり」という短い音で、鍵の束を取り出した一瞬の動作が想像されます。無駄な言葉が一つもない、良い作品です。

 先人の名句に「鈴に入る玉こそよけれ春の暮 三橋敏雄」という作品があります。「春の暮」の気分に「鈴」はよく合いますね。


https://www.sakigake.jp/special/2020/haiku/article_31.jsp 【奥深きオノマトペ】より

 擬態語・擬音語あるいはオノマトペなどと呼ばれる表現技法があります。この技法は俳句にも用いられます。以下は芭蕉の句です。(下線部が擬音語・擬態語)

 むめ(梅)がゝ(香)にのつと日の出る山路哉

 ひら〳〵とあぐる扇や雲の峰

 ひや〳〵と壁をふまえて昼寐哉 

 ひよろ〳〵と尚露けしや女郎花

 あか〳〵と日は難面もあきの風

 ぴいと啼尻声かなし夜の鹿

 芭蕉は「ひらひら」のような、ありふれた擬態語を効果的に使っています。いっぽう「のつと」などは、この句のために発明したかのように新鮮です。

 今回は擬態語・擬音語を用いた句を投稿作の中から拾ってみましょう。

語順を変えてみる

愛読書手にいそいそと夏の庭

 安井西紫湖さん(鳥取県米子市、50歳)の作。好きな本を手にして、お気に入りの木陰に向っていそいそとゆくのです。動詞が省略され、無駄な言葉のない作品です。

愛読書手にいそいそと庭の夏

とすると、「夏」の一字に広がりが出ると思います。

表現の重複を避ける

客去りてしみじみ思う盆の夜

 今野夏美さん(能代松陽高3年)の作。「しみじみ」があるので「思う」は省略できます。

客去りし後しみじみと盆の夜

言葉をシンプルにする

ざくざくと足音作る雪の道

 高杉悠太さん(秋田中央高を今春卒業)の作。「ざくざく」はしっかりした把握。「足音作る」は再考の余地があります。まずは

ざくざくとゆく足音や雪の道

と直します。「ざくざく」は音の形容ですから「足音」も消せそうです。

ざくざくと我はゆくなり雪の道

 言葉をシンプルにすると「ざくざく」が目立ちます。

 

ひらひらと咲いて散り行く六花かな

 佐々木美月さん(秋田中央高3年)の作。「六花」から「咲いて」が出て来たのかもしれませんが、略せそうです。

ひらひらと散りゆくものは六花かな

助詞を吟味する

花びらももんしろちょうもひらひらと

 丹野知さん(秋田市、高清水小5年)の作。雪(六花)や散る花や蝶に用いる「ひらひら」は代表的な擬態語です。

花びらともんしろちょうとひらひらと

 「も」を「と」に変えると句がリズミカルになります。

無駄を省き余韻を生む

蛍火のぽつりと光る田んぼ道

 土橋幸衡さん(由利本荘市、本荘東中を今春卒業)の作。「ぽつり」が小さな一点を表します。「光る」は略せます。

蛍火のそこにぽつりと田んぼ道

ほーほけきょひんやり澄んだ春の朝

 吉川幸子さん(東京都、43歳、男鹿市出身)の作。「春の朝」と「鶯」で季が重なるので「ほーほけきょ」としたのかもしれません。落ち着いた感じの句ですから「鶯」としたいところ。「春」は消します。

鶯にひんやりと澄む朝かな

 おしまいに「ひら〳〵」を使った先人の作例を紹介します。

 ひら〳〵と月光降りぬ貝割菜 川端茅舎

 風立ちて月光の坂ひらひらす 大野林火

 私も「蟷螂のひらひら飛べる峠かな」と詠んだことがあります。「ひら〳〵」のようなありふれた言い回しでも、使い方によってはまだまだ新しい表情を見せてくれます。


https://shiratsuti-psy-writing.hatenablog.com/entry/2024/08/03/022721 【オノマトペ まとめ】より

一般的な国語辞典でも2500語以上、オノマトペ辞典では4500語を超える語が収録されています。また歴史も古く、古事記にもオノマトペが登場します。国生みの際に海神が矛をかき混ぜる様子を、「こをろこをろ」と表現したのです。

日本語がオノマトペを発達させた背景に、動詞の説明不足があります。原則として日本語では、ひとつの動作に対してひとつしか語が当てられていません。「走る」に該当する語は「走る」以外には存在しないのです。

しかし外来語においては、ひとつの動作に対して複数の語が当てられていることも珍しくありません。たとえば英語では「走る」に該当する語が10を超えています。

run: 最も一般的な「走る」

sprint: 全力で短距離を走る

jog: ゆっくりとリズミカルに走る

dash: 短距離を急いで走る

race: 競争として走る

hustle: 急いで走る、せわしく動く

scamper: 小走りする、素早く動く

gallop: (馬が)全速力で走る、人が非常に速く走る

lope: 長い歩幅でゆったりと走る

bolt: 急に走り出す、突進する

charge: 力強く進む、突進する

これだけ選択肢があるのですから、わざわざ形容詞やオノマトペに頼らずとも、動詞ひとつで「どのように」走るのかまで説明できるわけです。

その点、日本語の「走る」は大まかな動作しか伝えられず、「どのように」走るのかまでは説明できません。「速く/遅く」、「短距離を/長距離を」など、修飾語も交えなければ動作を正確に言い表せないのです。

また日本語は動詞だけでなく、形容詞にも制約が設けられています。そもそも形容詞の数が少なく、かつ形容詞を連続させづらい、という2重苦を負っているのです。

英語における品詞分類では、形容詞が少なくとも20%を占めています。しかし日本語では形容詞の占める割合が4%にも満たず、形容詞を修飾する語(副詞)も2.5%ほどと、その語数は英語に遠く及びません。

おそらくこの圧倒的な語数差を埋めるべく、日本語はオノマトペを頼ったのでしょう。「えっちらおっちら走る」、「ダーッと駆ける」、「グングン迫る」といった具合に、オノマトペは「どのように」走るのかを端的に説明してくれます。

そしてオノマトペは、形容詞を連続させづらいという日本語の難点も解消してくれました。形容詞とオノマトペを連続させる分には、さほど違和感を覚えないためです。

長く速く走る⇒長距離をダーッと駆け抜ける

相手に徐々に追い付くように走る⇒相手の背にグングン迫る

語と語のつながりに違和感がなく、しかも臨場感も与えてくれます。また「走る」という単語を用いずに「走る様子」を表せるようになるので、間接的に動詞の用途も広げてくれます。オノマトペは文法上の問題を解消するに留まらず、日本語の表現をより豊かにしてくれるのです。

オノマトペの種類

主なオノマトペは以下のように分類できます。

1、物音、声(実際に音を立てる)

パソコンのキーボードをカタカタ叩く

アフゥとあくびを噛み殺す

グーグーといびきをかく

グーグーとおなかがうるさい

2、行動、姿(実際に音はしないものの、そのような音が聞こえそうと感じる)

ペンをサラサラと走らせる

スマホをシュッシュッとスワイプする

グーグー眠る

寒さにガタガタと体を震わせる

目的もなくウロウロする

3、感情、心情(行動より心情に重きを置いている)

ニコニコする(行動+感情)

はらはらと涙を流す(行動+感情)

ゾッとする(感情のみ)

頭の中は怒りでグツグツ煮えたぎっていた(感情のみ)

4、見た目、イメージ(印象を述べる・擬人化する)

ふわふわの毛皮

できたてホヤホヤのパン

アンコがほろりと崩れる

大きな岩がドッシリと構えている

その他、オノマトペに関する考察

オノマトペは使われる文脈やシーンによって意味も変化します。

太鼓をドンドン鳴らす(太鼓の音)

道をドンドン進む(歩き方)

またオノマトペは伝え手の感情にも左右されます。時には疑問符や感嘆符も交えながら、事物・感情の大きさも表してくれます。

太鼓をドンドコ叩く(楽しそうに叩く様子)

太鼓をドォン!と鳴らす(全力で叩いた音)

太鼓の音がドドドド!と押し寄せる(音の迫力に圧倒される様子)

オノマトペには造語も付き物です。非常に主観的かつ自由な表現法ゆえ、その時代・その心情に基づいて、様々な造語が作られてきました。特に、感覚的なやりとりを楽しむ世代では重宝されており、複雑で言葉にはしづらい感情をオノマトペに任せる傾向があります。

モニョる(喜ばしくはあるのだが、一抹の不安や不満が邪魔をして手放しに喜べないという、心のモヤモヤを表している)

ジワる(大笑いするほどではないが、笑おうと思えば笑えるくらいにはおもしろい)

ジワる(最初は何も感じなかったが、思い返すとおもしろいように思え、徐々に笑顔を抑えられなくなる)

オノマトペは複雑な行動・感情を”とりあえず”言葉へ置き換えてくれる便利な表現方法ですから、会話を円滑に進めるためにも、その意味を深く追求されることはありません。しかしたった一言にいくつもの語を圧縮できるという語法は非常に興味深く、文脈や受け手によって解釈も変化し得るという、多様性の高さにも目を見張るものがあります。

形容詞や副詞を合わせることで行動・感情をより詳しく説明することもできますし、感嘆詞の代わりに用いれば、その心情をさらに強調できるようになります。オノマトペはその時々に合わせて、伝え手の心情を映す鏡となってくれるわけです。

オノマトペは日本語をより豊かにしてくれる表現方法です。動作・感情を直感的に伝えられるため、読者はただの文字から音や感覚までも鮮明にイメージできるようになります。オノマトペはただの装飾的な要素ではなく、文脈に応じてその意味を深め、伝えたいニュアンスを的確に表現するための大切な要素なのです。

言外に潜んでいる行動・感情を捉え、具体的かつ生動感のある表現を実現してくれるオノマトペを理解することで、日本語をさらに楽しみ、発展させていけるでしょう。


コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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