脾臓いま日焼けのままに寝まるなり

 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/13-%E8%A1%80%E6%B6%B2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%84%BE%E8%87%93%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%84%BE%E8%87%93%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81 【脾臓の概要】

脾臓(ひぞう)は、にぎりこぶしほどの大きさをしたスポンジ状の軟らかい臓器で、腹部の左上、肋骨のすぐ下に位置しています。心臓から脾臓へ血液を供給するのが脾動脈です。脾動脈によって脾臓へ運ばれた血液は、脾静脈によって脾臓から運び出され、より太い静脈である門脈を通じて肝臓へと運ばれます。脾臓は、血管とリンパ管を支えている線維組織(脾膜)で覆われています。

脾臓は、基本的に以下の2種類の組織からできていて、それぞれ異なる機能を果たしています。

白脾髄(はくひずい)

赤脾髄(せきひずい)

白脾髄は、感染に対する防御を担う器官系(免疫系)の一部です。リンパ球と呼ばれる白血球をつくっており、そのリンパ球は抗体(異物による侵入から守る特殊なタンパク質)をつくります。

赤脾髄は血液をろ過することにより、不要な物質を取り除きます。赤脾髄には、細菌、真菌、ウイルスなどの微生物を消化する食細胞という白血球が含まれています。また、赤脾髄は赤血球の状態を監視し、異常があったり、古くなったり、傷ついたりして正常に機能しなくなった赤血球を破壊します。さらに、赤脾髄には、特に白血球や血小板(血液の凝固に必要な細胞に似た粒子)といった様々な血液成分を貯蔵する働きもあります。しかし、これらの血液成分を放出することは、赤脾髄の主要な役割ではありません。

脾臓の構造

無脾症

脾臓がなくても(無脾症と呼ばれる状態)、人間は生きていくことができます。

無脾症とは、以下のような原因で脾臓の機能が失われる病気です。

生まれつき脾臓がない

脾臓の機能に影響を及ぼす病気(機能的無脾症)

手術による脾臓の摘出(脾臓摘出術)

生まれつき脾臓がないのは、まれな病気です。この病気の乳児では、多くの場合、心臓の異常を伴います。

機能的無脾症の場合は、脾臓が適切に機能していません。機能的無脾症は、様々な病気が原因である可能性があります。一般的な原因としては、鎌状赤血球症、セリアック病、アルコール性肝疾患などがあります。機能的無脾症は、脾臓の動脈や静脈が損傷した後に生じることもあります。

脾臓摘出術とは手術で脾臓を摘出することです。健康ではあるが自動車事故などによる脾損傷の後に脾臓摘出が必要な人、または脾腫を引き起こす病気があり脾臓摘出が必要な人に対して行うことがあります。

脾臓を摘出したか、または脾臓が機能していないと、感染を防御する抗体をつくったり、望ましくない微生物を血液から取り除いたりする体の能力がある程度失われます。その結果、感染に対する防御能力が低下してしまいます。ただし、脾臓が失われても、他の臓器(主に肝臓)が感染に対する防御能力を高め、また、赤血球が異常になったり、寿命をすぎていたり、傷ついたりしていないか監視し、そのような赤血球があれば除去することによって、その機能を補います。

脾臓には、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)といった特定の種類の細菌に対する防御の役割があるため、脾臓を摘出した場合は、感染リスクが特に高くなります。このようなリスクがあるため、これらの微生物の感染から体を守るためにワクチンを接種します。現在ではすべての患者に推奨されていますが、インフルエンザウイルスに対するワクチンの接種も必ず毎年受けるようにする必要があります。一部では感染予防に抗菌薬が毎日投与されており、特に感染のリスクを高める別の疾患(鎌状赤血球症やがんなど)がある場合や、小児と日常的に接する場合に使用されます。


https://www.parksideclinic.jp/colum/hikari_roka1.html 【東洋医学的 光老化について】より

紫外線の暴露による光老化に関して、東洋医学的見地から考えてみたいと思います。

べつに日焼け止めクリームでの紫外線防護やビタミンなどのサプリメントによる肌の補修の役割を漢方薬で肩代わりしようという訳ではありません。しかし東洋医学的発想を取り入れる事により、より効果的な光老化に対するケアが可能です。

老化

はじめに、『老化』って何でしょう?科学的に細かく定義するといろいろ複雑になりますが、大まかには体が酸化する事が老化の本体と考えられています。

身近なものでは、釘などの鉄が酸化して錆を生じる。これが酸化です。

人間の身体の場合は、酸化に活性酸素(フリーラジカル)が大きく関与します。活性酸素が関与する細胞の酸化が老化現象を引き起こします。活性酸素は体内の病原微生物を破壊して生態防御に働くなどのメリットがあります。しかし、過剰な活性酸素の発生は細胞膜や遺伝子に損傷を与えます。そのため皮膚ではシミやシワの原因となったり、皮膚の劣化(老化)を引き起こしたりします。また体全体では、生活習慣病やガンの誘引となります。

活性酸素は様々な要因で増加します。紫外線や放射線、大気汚染、農薬や食品添加物、タバコ、精神的なストレスなどは活性酸素発生の大きな要因となり得ます。過度の運動も活性酸素の発生源となります。オリンピックなどに出場するトップアスリートが割と短命であるという事実が知られていますが、過度の運動とプレッシャーが活性酸素を生み出す事により寿命を縮めるのではないかという説もあります。

意外なところでは、化学合成された医薬品やサプリメントも活性酸素発生の原因となり得ます。もちろん医薬品は病気の治療に欠かせないものであり、『西洋薬は体に悪いからやめてしまえ。』などと言う気はありません。しかし、治療に於いても化学合成された薬は最低限にとどめるべきと私は考えますし、合成サプリメントも見境なく飲むのはお勧めできません。アンチエイジングのために飲むサプリメントで活性酸素が生じ、老化の促進につながったのでは、何をしているのか判らなくなります。私が漢方薬治療に力を入れ、注射薬を厳選するのもこれらの事象を考えての事です。また、サプリメントも自然のものを中心に厳選しています。

防御機構

人間の体には自然の防御機構が備わっています。発生した活性酸素(フリーラジカル)は、スカベンジャーという不要物質の回収機構によって捕捉され廃棄されます。スカベンジャー機能を超えて活性酸素が生産されると上記の細胞障害が生じます。スカベンジャーが捕捉できなかった活性酸素に対しても様々な防御機構があります。活性酸素は、科学的には弱い順から①スーパーオキサイドラジカル②過酸化水素③一重項酸素④ヒドロキシラジカルが存在しますが、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼ、SODなどの予防的抗酸化物はこれらの活性酸素を水や過酸化水素などの無害な物質に変換したり、一重項酸素の消去を行います。

予防的抗酸化物によっても捕捉できなかった活性酸素は捕捉型抗酸化物質によって、細胞が障害される前に除去されます。捕捉型抗酸化物質には水溶性のものではビタミンCがあり、活性酸素の除去に最も大きな役割を果たします。ビタミンCは水溶性のため、細胞膜など脂質層内に入り込んだ活性酸素は捕捉できません。ここでは脂溶性であるビタミンEが活性酸素の捕捉を行います。

それでも捕らえられなかった活性酸素は細胞を障害します。細胞のタンパク質や脂質を障害することも問題ですが、遺伝子(DNA)を障害する事がもっとも大きな問題となります。DNAが損傷した状態で細胞分裂を繰り返すと、細胞が変性し、臓器障害やガンの発生につながります。紫外線による光老化でもDNAのダメージにより細胞が変質しますが、紫外線を浴びれば浴びるほどDNAの損傷がひどくなり、細胞分裂が正常に行われなくなります。これにより引き起こされる肌の異常がシミ、クスミ、シワ、タルミとなり、光老化につながるのです。また、状況によっては皮膚ガンの発生リスクを高めます。

光老化を防ぐには

では、光老化を防ぐにはどうしたら良いでしょうか?

まずは紫外線の暴露量を減らす事が重要です。紫外線には生活紫外線であるUVA、レジャー紫外線であるUVB、環境破壊に伴う宇宙紫外線のUVCがありますが、紫外線を物理的に遮蔽することに加えて、適切な日焼け止めなどを用いてUVAとUVBをバランス良く防御する事が重要です。(コラム「UVAとUVBのおはなし」をご参照ください)。

加湿器や保湿クリームで肌の水分を保つ事、抗酸化物質としてビタミンC、ビタミンEを摂取する事も効果があります。ビタミン類は食品からの摂取が理想ですが、良質のサプリメントを飲むのも良い事です。

食養生という観点からは、塩を上手に摂取する事が光老化などの老化防止に有効です。身近な例では、切ったリンゴが酸化して茶色になった場合に塩水に浸けると色が戻り、ある程度の時間酸化しないという事があります。リンゴの場合は科学的に作られた塩化ナトリウムでも十分ですが、我々が抗酸化作用を期待して摂取する場合は岩塩や自然の海塩など化学合成によらない塩がお勧めです。もちろん高血圧や心臓・腎臓の病気がある人には、塩分の過剰摂取は病気の状態を悪化させますので、十分な注意が必要です。

昔ながらの製法で作られた味噌や醤油も発酵という過程が加わる事でより高い抗酸化作用が期待できます。ポン酢もビタミンCが豊富に含まれるためさらにお勧めです。豆腐、納豆などの発酵食品も抗酸化食品として優れています。ローカロリーですし、良質の植物性タンパク質を含むため、毎日食べても安心です。特に納豆はゴマなどと並びビタミンEを多く含み、血流増加(血液サラサラ)効果も期待できます。キムチなども大変良い発酵食品ですが、日本で売られているキムチは本場韓国のものに比べて塩分が多いため、摂り過ぎには注意を要します。他にも肌の老化を予防してくれるものとしてはカロチノイドがあります。代表的なものはリコピンでトマトに多く含まれています。赤ワインに含まれるポリフェノールであるレスベラトロールも損傷した遺伝子の修復作用がある事が知られています。しかし、十分な量のレスベラトロールを赤ワイン飲用で摂取するのはアルコールの肝臓への影響という面では必ずしも良いとは限りません。レスベラトロールだけは、赤ワインではなくレスベラトロールのサプリメントを内服する方が体には優しいかもしれません。

放射線

今まで紫外線の影響の話をしてきましたが、ここで放射線の話をしたいと思います。福島第一原発の事故以来、放射性物質のフォールアウトとそれによる健康被害を心配される方も多いと思います。我々の眼に見える可視光線も紫外線もX線やγ線などの放射線も電磁波です。そのため威力の差はあれども、同じ様に皮膚や臓器に障害を起こし、DNAに損傷を与えます。多くの人が心配している放射線被爆によるガンの発生は先述の紫外線による光老化と同じメカニズムで起こるのです。ただし放射線はエネルギーが大きいので、日焼け止めクリームのように放射線を防御する便利なものはありません。しかし、DNAの損傷に対する備えという面では紫外線と同様の食事やサプリメントが有効であると考えます。放射線と食摂生に関する興味深い例を紹介します。

1945年8月9日、長崎市の浦上第一病院(現・聖フランシスコ病院)は爆心地から1.4kmという距離でプルトニウム型原子爆弾により被爆、赤レンガ造りの建物の外郭をのぞいて焼失しました。同病院は患者、スタッフとも全員被爆しました。しかし3日後、秋月辰一郎医師をはじめとする医療スタッフは同病院に仮設診療所を開設。放射線障害を覚悟のうえで、長崎にとどまって患者の治療にあたったのです。秋月医師は、医薬品の供給もままならない中、患者やスタッフに次のように指示しています。

『原爆をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩辛い味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかんぞ。』 (秋月辰一郎著『死の同心円』より)

これは当時『放射線宿酔』とよばれたX線の被爆に伴う倦怠感の治療として、体液組成よりやや濃い目の食塩水が著効する臨床経験を応用したとの事。また、味噌汁の具はカボチャやワカメでした。砂糖を禁じたのは造血細胞に対する毒素と考えたからでした。

その結果、患者の救助にあたった医師、看護師、医療スタッフらに通常なら徐々に発症するはずの原爆症の症状がまったく出なかったそうです。また彼らはそれから後も現実的に生き続けており、発ガン率が上昇したという事もありませんでした。

福島第一原発以降、放射線被爆に対して我々は、いかに放射性物質を取り込まないかという事に汲々としています。それ自体は悪いことではないのですが、食養生など日常生活を見直して体の回復力を高める事の重要性を忘れてはならないと考えます。放射線防護も光老化もアンチエイジングも東洋医学的見地からは同じ対処法で良いと考えます。

漢方

最後に漢方薬の話をします。

光老化もしくはアンチエイジングに使う漢方薬は、『腎』を補う漢方薬を中心に処方します。東洋医学的には老化というのは人間の生命エネルギーを司る腎気という先天の気が質・量ともに低下するために起こると考えられています。

補腎の漢方薬の基本は『六味丸』です。手足の火照りなど『腎陰虚』(水血の不足状態、ボーっとする、頭がふらつく、思考力減退、耳鳴、難聴、下腹に力が入らない、盗汗、遺精、性機能異常、尿が濃い、硬便など)の証に適応になります。これに寒気、手足の冷えなど『腎陽虚』の症状が加わった場合は『八味地黄丸』の適応証となります。さらに虚の要素が強い人の場合は『牛車腎気丸』を処方します。他にも患者様の体質にあわせて、『釣藤散』『麻子仁丸』『加味帰脾湯』『人参養栄湯』などの漢方薬を処方します。

『八味地黄丸』には興味深い話があります。江戸幕府の祖を築いた徳川家康についてです。織田信長や豊臣秀吉と比較されることの多い家康ですが、『家康は長生きしただけで、能力は信長や秀吉の方が上である。』と揶揄される事がしばしばあります。しかし家康の健康長寿は単に運ではなく、努力の賜物だったと言われています。規則正しい生活と健康習慣を取り入れ、老化防止に良いと思った薬は積極的に飲んだという事です。その家康が生涯飲み続けたのが『八味地黄丸』だといわれています。家康の晩年に至るまで明晰だった頭脳や健康は八味地黄丸のおかげだったとすると、まさに日本史を変えた漢方薬だったかもしれないですね。

当、代官山パークサイドクリニックでは、紫外線対策などのスキンケアから光老化の予防・治療、アンチエイジングなどのご相談を随時受け付けています。気軽に受診してください。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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