時空を超えた花――古代蓮

https://www.hyponex.co.jp/plantia/plantia-11670/ 【時空を超えた花――古代蓮】より

夏、ハスの季節ですね。各地から花の便りが届きます。仏教と関わりの深いハス、大仏様や仏様が座る台、蓮台はハスの花を模った台座です。ハスは、泥沼の中から、この世のものとは思えないくらいの美しい花を咲かせて、実を結びます。また、葉も水を弾く性質があることから、泥=迷いの中から、花と実=悟りを結ぶという、生態と仏の教えが合致して、ハスが仏の花になったのでしょう。見ていても、素直にそう思えます。

https://lifeskills.amebaownd.com/posts/12087665?categoryIds=3379718  【みんなが元気に】

行田蓮

行田蓮案内

行田蓮(古代蓮、ギョウダハス) 埼玉県行田市で1400~3000年前の地層から出て来たタネが発芽し花が咲いた

さらに、ハスの花や実を見てあなたは何を感じますか。私は「永遠の時」を感じます。実際、大賀蓮のように、約2000年前の種子が発芽して、今に生きています。そして、その時空を超えたハスを堪能できる場所が、埼玉県行田市にあります。「古代蓮の里」公園です。近隣にはさきたま古墳群もあり、まさに関東屈指の古代エリアなのです。

原始蓮

原始蓮(ゲンシバス) 万葉人も眺めたであろうハス。

https://lifeskills.amebaownd.com/posts/9592581?categoryIds=3379718  【采微庵・万葉集の蓮の歌】

植物学者大賀一郎博士が東大阪市で見つけた古いハスを調査しこの名をつけた。花弁数25枚前後の一重咲き種

ここで見られる古代蓮の仲間は3種。原始蓮と大賀蓮、そしてここでの主役、行田蓮です。いずれも紅色一重の花で、花弁数では原始蓮が多く、同じような花弁数の大賀蓮と行田蓮との違いは微妙だそうです。大賀蓮は千葉県の検見川で見つかっていますから、地域差なのかもしれません。

大賀蓮

大賀蓮(オオガハス) 1951年、千葉県検見川の落合遺跡で、植物学者の大賀一郎が見つけたタネから咲いたハス。地層等から約2000年前のもと推定されている。花弁数14~20枚の一重咲き種

行田蓮(古代蓮)は、「古代蓮の里」近くの公共施設工事の際、掘削池でハスが自然開花したものです。タネのあった地層の測定から、約1400~3000年前のものと推定され、行田蓮(古代蓮)と呼ばれるようになったそうです。その後、公園整備が進み、「古代蓮の里」として1995年に開園しました。ハスに関する資料の解説がある古代蓮会館には50メートルタワーがあり、たんぼアートや関東平野の眺めを楽しめます。

古代蓮の里

埼玉県行田市の「古代蓮の里」の池に咲く、古代蓮(行田蓮)。後ろは古代蓮会館に併設されているタワー

公園内には古代ハス池や水生植物園、水鳥の池とハスが咲く池が複数あり、それぞれでハスの花を楽しめます。開花のピークとなる7月半ば前後は、まさに花の中にいると極楽浄土の佇まいを感じることができるかもしれません。ただ、極楽浄土を知らないので、気がするレベルですが 笑。

甲斐姫

甲斐姫(カイヒメ) 行田蓮にアメリカ黄蓮を交配して作出した花

ハスが咲くとき音がする、は俗説

ハスの開花期間中には、説明係の地元の方々がおられてハスについて詳しく説明をしてくれます。その中から話を三つ。いずれも知っているようで知らない人も多いのではないでしょうか。

一つは、ハスは咲く際にポンという音がする、という俗説です。ここの関係者の方々も音がなるのかどうか、早朝の開花前から聞き耳を立てて確認したそうですが、未だに誰一人聞いた人はいないそうです。やはり俗説だろう、と話していました。

二つ目は、ハスのタネは相当に硬いそうです。もしかしてその硬さが千年以上もの時を経ても発芽する要素なのかもしれません。ここでの古代蓮の復活も、工事の際に偶然に種子に傷がつき、深い眠りからの覚醒、そして発芽に繋がったのではないか、と言われています。

三つ目は、ハスは香る。開花直前・直後のハスはほのかに香ります。花弁が開いてしまうと香りは飛んでしまい感じられなくなるそうです。お香などでもハスの香りのものがあり、極楽浄土の香りがするのかもしれません。もちろん、嗅いだことがないのでわかりませんが(笑)

ところで、俳人正岡子規は、かなりハスが好きなようで、蓮の語を入れた句を生涯に100あまり詠んでいます。その中に「蓮開く 音聞く人か 朝まだき」「白蓮の 香にむせかへる 小庭哉」と、音と香りにちなんだ句もあります。果たして正岡子規は花開く音を本当に聞いたのでしょうか? 香りもむせかへるほど香ったのでしょうか? 実際はどうであれ、蓮には子規にもそう思わせる何かがあったのでしょう。

水鳥の池に自生して咲く古代蓮

水鳥の池に自生して咲く古代蓮。元々の自生地ではないが造成の際にできた池で、自然な風景を醸し出している

世界の花蓮

「世界の花蓮」コーナーには約40種のハスが咲きます。古代蓮の姿とはまた違った花も多く、ハスの多様性を知ることができます。園内の池のハスも含めて、早朝7時前後に開花し、午前9時ごろまでが見ごろになります。昼ごろにはしぼんでしまうので、花をたくさん、そしてきれいな姿で観るためには早起きが欠かせません。

世界の花蓮案内

明光蓮  明光蓮(メイコウレン) 交雑種。1971年作出

舞妃蓮  舞妃蓮(マイヒレン) 花弁数20~25枚の一重咲き種

西湖蓮  西湖蓮(サイコレン) 花弁数100~120枚の八重咲き種

即非蓮  即非蓮(ソクヒレン) 花弁数20枚前後の一重咲き品種

酔妃蓮  酔妃蓮(スイヒレン) 花弁数20枚前後の一重咲き種。ピンクの爪紅が特徴

真如連  真如連(シンニョレン) 花弁数18~24枚の一重咲き種

巨掠の白鳥  巨掠の白鳥(オグラノハクチョウ) 京都の巨椋池にあったとされる巨椋系の一重咲き種

紅万々  紅万々(ベニマンマン) 花弁数100~120枚の八重咲き種。花径27~30cmになる

白万々  白万々(シロマンマン) 花弁数100~120枚の八重咲き種

漢蓮  漢蓮(カンレン) 花弁数50~100枚の八重咲き種。わが国最小種

韓国景福宮蓮  韓国景福宮蓮(カンコクケイフクキュウレン) 花弁数18~20枚の一重咲き種。爪紅が特徴

剣舞蓮  剣舞蓮(ケンマイレン) 花弁数18~20枚の一重咲き種

アメリカ白蓮  アメリカ白蓮(アメリカビャクレン) 花弁数18~20枚一重咲き種

カスピカム  カスピカム 花弁数23~25枚の一重咲き種

夏に楽しめるハス。古代蓮の里では、2年もの苗が売っています。来年、つまり3年目で花が見られるそうです。家庭で育てるポイントは、とにかく日当たりのよい場所(池)に植えるか、容器栽培(甕など)を置きます。そして、池も容器栽培でもとにかく水を切らさないことがポイントです。自宅で夏の朝、ハスの花を愛でることができたら、だれもが一句読んでみたくなるかもしれませんね。


https://yomiuri-townnews.com/green-season-6/2022/07/18/ 【休耕田を彩る地域への思い 森のハス田(茨城・大子)】より

 大子町塙の「森のハス田」で、ハスの花が見頃を迎えている。広さ約1400平方㍍の休耕田一帯に青々としたハスの葉が茂り、その合間から、ピンク色と淡い黄色の花が立ち上がっている。

 同所は、地元でつくる「花咲かそう会」が整備して3年。ハスは、「陽山紅蓮」と「舞妃蓮」の2種類。どちらも、田んぼの持ち主の吉成喜久雄さん(72)が、栃木県の愛好家から譲り受けて増やしたたもの。

 吉成さんは3年前、きれいなハスの花が咲いていると聞き、栃木を訪ねて田んぼの持ち主を探した。休耕田に咲かせて地域を明るくしたいと話すと、花の時期の後に、田んぼに張り巡った根を掘り出すところから手伝ってくれた。地元の近所の仲間と同会を結成し、田んぼを整備して植えた。

 「風が吹くと、ハスの大きな葉や花が、大らかに、ゆったりと揺れる。のんびりしたこの町の里山の風景に合うんです」と、吉成さん。

 見頃は7月末頃まで。常陸大子駅から国道461号を栃木方面に向かい、右手の「奥久慈もも・りんご仲野園」の看板を右折。国道からハス田までは約1・7㌔。近くに、古代ハスを栽培する休耕田「ハスの里」もある。


https://chocotabi-saitama.jp/spot/19015 【古代蓮の里】より

6月中旬から8月上旬にかけ42種類12万株の花蓮が蓮池一面に咲きます。花弁の数が少ない原始的な形態を持つ行田蓮(古代蓮)は、約1400〜3000年前の蓮であると言われています。花蓮は午前中が見頃となります。

園内には他にも水生植物園、水鳥の池、牡丹園、梅林、桜の木のあるお花見広場があり、年間を通して自然の美に触れることができます。

さらに、7月中旬から10月中旬にかけては、見ごろをむかえた田んぼアートを古代蓮会館展望室より見ることができます。行田市の田んぼアートは2008年に始まり、毎年多数のボランティアや参加者の方により田植えが行われており、オリジナルのデザインだけでなく、映画やドラマ、ゲームなどともコラボレーションしています。2015年には面積が「世界最大の田んぼアート」としてギネス世界記録に認定されました。


https://www.go2park.net/photo/heisei_lotus.html 【行田から寄贈された古代蓮 平成の森公園 修景池の古代蓮】より

つぼみがいっぱい。8月の中旬くらいまでは楽しめそう。

バラで有名な「平成の森公園」は古代蓮(ハス)の名所としても知られています。

古代蓮が植えられているのは公園の南側にある「修景池」です。

2022年までは修景池の全面が古代蓮で覆われていたのですが、2023年になって四阿のある池の南東側の古い苗を伐採して北西側に寄せました。

池全体が蓮で覆われてしまったので水面を出したいという意図のようです。

ところで、修景池の古代蓮はどこから来た蓮なのでしょう。

行田のように1000年以上前のタネが自然発芽したのでしょうか?

これについて、ネット上では「行田市で発見された古代蓮(行田蓮)」という記載を多く見かけます。しかし、川島町が発信しているような信頼に足るソースが見当たりません。

管理事務所や公園で作業中の方に伺ってもはっきりしたことはわかりませんでした。

そんな訳で、川島町の「まち整備課」に伺ったところ、行田市から寄贈された古代蓮で間違いないとのことでした。

行田市から寄贈されたのは「10数年前」とおっしゃっておられたので2010年前後?くらいではないかと思います。

それから増え続けて修景池一面を覆うほどになったわけです。

情報をキャッチするのが遅れて2023年やっと撮影することができました。

しかし、ちょっと早かったみたいですね。つぼみがたくさんでした。まだまだ長く楽しめそうです。

川島町が、令和元年・令和3年・令和4年に発信した開花情報でも、8月中旬くらいまでは見ごろの状態が続いていました。

行田の「古代蓮の里」は2023年7月31日現在、もうシーズン終盤のようです。

もしかしたら、平成の森公園の古代蓮は周辺よりちょっと遅めなのかも知れません。

古代ハス

平成の森公園 修景池の古代蓮  鉄塔がちょっと邪魔かも…。

平成の森公園 修景池の古代蓮  つぼみが多かった。

中心の花托。 平成の森公園 修景池の古代蓮

つぼみ。平成の森公園 修景池の古代蓮 中央の黒い三角は修景池の畔に建つ四阿。

修景池 平成の森公園 修景池の古代蓮 寄せられた池の北西側。

古代蓮を間近で見られます。平成の森公園 修景池の古代蓮四阿。

こちら側はちょっと高くなっています。平成の森公園 修景池の古代蓮

「水と時の広場」のカリヨン(鐘)。平成の森公園 修景池の古代蓮

池の半分くらいが古代蓮。四阿のあたりがちょっと高くなっています。

平成の森公園 修景池の古代蓮四阿から。

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