クリスマスカラー(赤、緑)

https://www.lib.pref.yamanashi.jp/cgi-bin/refjirei/refs.cgi?c=common&n=50 【“クリスマスカラー(赤、緑)”の由来が知りたい。】より

【回答】

クリスマスカラーの赤と緑は、昔のブリトン人や、ローマの西洋ヒイラギの人気を反映している。西洋ヒイラギは冬の枯死を生き延びる並外れた力が、人々の家庭にも同様の力を与えてくれるという期待から、冬の装飾品として一般に用いられた。キリスト教のシンボルとなった理由は、西洋ヒイラギの低木が旧約聖書のホウキギにたとえられることと、とげがあって血のように赤い実のなることから、イエスが最後にかぶった冠を象徴することによる。

【調査過程】

■『原色色彩語事典』(香川勇 長谷川望編著 黎明書房 1988)で「赤」と「緑」の項を見る。赤は「活動と興奮のシンボル」、緑は「疲労と鎮静のシンボル」とあり、それぞれ解説があるが、クリスマスについては記載なし。

■『英語イメージ辞典』(赤祖父哲二編 三省堂 1986)で「red」と「green」の項を見る。redは「血と火の色キリストの受難(passion)、信仰、愛、殉教をあらわす。」などの記述、またgreenは「若さと嫉妬と魅力。」などの記述があるが、クリスマスについては記載なし。

■『キリスト教大事典(改訂新版)』(教文館 1977)の「クリスマス」の項を見る。クリスマスカラーについては記載なし。

■『イギリス祭事・民俗事典』(チャールズ・カイトリー著 渋谷勉訳 大修館書店 1992)の「christmas」の項を見る。ヒイラギの赤い実はキリストの血の滴りを象 徴するなどの記述があるが、クリスマスカラーについての記述はなし。

■「NDC380 風俗習慣.民俗学.民族学」の書架に行く。『アメリカ風俗・慣習・伝統事典』(ダッド・トレジャ著 北村弘文訳 北星堂書店 1992)を見る。「クリスマスの赤や緑」の項にクリスマスカラーについての解説あり。

【キーワード】

■クリスマスカラー■色彩■ヒイラギ

【参考資料】

◆『アメリカ風俗・慣習・伝統事典』(ダッド・トレジャ著 北村弘文訳 北星堂書店 1992)

【調査にあたって】

当初は赤と緑の色彩にこだわって、色そのものの持つイメージが関係するのかと考えたのだが、回答が得られなかった。そこでクリスマスという行事を考え、キリスト教の事典を見たが記載がなく、結局、祭事・民俗関係の本に記載があった。


https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000080231&page=ref_view 【レファレンス事例詳細】より

質問

クリスマスカラーの赤と緑のいわれは何か。

回答

資料1~6にクリスマスカラーの赤と緑について以下のような説明があります。

【資料1】 p141「古来、クリスマスの色といえば、赤と緑が連想されてきました。しかし、なぜそうなのかはわかっていません。おそらく聖なる木ヒイラギの葉の深い緑と真紅の実がその連想のもとにあるだろうとされています。(中略)ヒイラギのとげは、十字架に架けられたキリストの頭上の茨の冠を想起させ、赤い実はキリストの額にしたたる血の滴りを思い出させるからです。」

【資料2】 p245「クリスマスの色は、赤と白と緑である。キリストが人類のために十字架に流した血の色は赤である。キリストの純潔を表す色は白、そしてキリストの永遠の生命を象徴する色が緑である。クリスマスシーズンに赤い実をつけ、緑の葉を持った柊(holly)は古くからローマ人によって魔除けとして、また長寿の木としてサトゥルナリアにも用いられていたが、キリスト教がこの慣習を引き継ぎ、棘はキリスト教の受難、赤い実はキリストの血という解釈を与え、クリスマスの愛の木としたのである。」

【資料3】 p19「昔のブリトン人やローマ人が大切にした、ひいらぎの色に代表される。葉の緑は冬の「枯死」を生き延びる力を、赤い実はキリストの血、死にいたる愛を表すとされる」また【資料6】p281にもほぼ同様の記述あり。

【資料4】 p9「緑:常緑樹の葉の色からきた色で、永遠の命、力強い命などを表します。赤:りんごの実、サンタクロースやニッセの帽子。イエスが十字架の上で流した血の色を象徴します。」

【資料5】 p90「白と赤は、キリスト教の真実、そして力の象徴とされた(中略)サンタクロースの衣装は赤であり、白の縁取りである。ホワイトクリスマスという言葉も、白のイメージに結びついている。そして、常緑樹であるモミの木の緑がある。こうしたクリスマス風景の色が、商業的なイメージ戦略もあって、いつのまにかクリスマス・カラーとして定着してしまっている。」

回答プロセス

1 『世界大百科事典』(平凡社)、『日本大百科全書』(小学館)を確認。関連する記述なし。

2 386(年中行事.祭礼)と190(キリスト教)の参考図書を確認。関連する記述なし。

3 『文化人類学の本全情報 1994-2001』(資料7)『文化人類学の本全情報 45/93』(資料8)の「クリスマス」の項目に掲載されている図書と付近の書架を確認。資料1に赤と緑、資料2に赤、白、緑について説明あり。いずれも分類は386。

4 OPACフルテキスト「クリスマス」で検索。ヒット数が1000件を超えるため、一般件名「クリスマス」で検索(48件)。ヒットした図書とその付近の書架を見る。資料4にクリスマス・カラーとして緑、赤、金、白について説明あり。

 なお、3、4ともキリスト教(196:典礼.祭式.礼拝)の図書が含まれているが、クリスマスカラーについての記述はなかった。

5 OPACフルテキストで色+キリスト教、クリスマス、西洋、ヨーロッパなどで検索し、色に関する書架を確認。資料5(分類は757)に「クリスマスの赤と白と緑」の項目あり。

6 OPACフルテキスト「シンボル」+一般件名「じてん」で検索し確認。関連する記述なし。

7 児童図書室作成の「テーマリスト」の「クリスマス」の項目を見たところ資料3がクリスマス特集であることがわかる。内容を確認したところ、クリスマスカラー(緑と赤)について説明あり。また、他に新しい記事はないかCiNii Articlesで検索したが、新たなものは見つけられなかった。

8 インターネットを検索したところ、同様の質問に回答した山梨県立図書館のレファレンス事例あり。(http://www.lib.pref.yamanashi.jp/cgi-bin/refjirei/refs.cgi?c=common&n=50 2013.11.12確認)そこでは資料6が紹介されていた。

事前調査事項

NDC

年中行事.祭礼 (386 9版)

キリスト教 (190 9版)

典礼.祭式.礼拝 (196 9版)

参考資料

【資料1】遠藤紀勝, 大塚光子 共著. クリスマス小事典. 社会思想社, 1989. (現代教養文庫 ; 1317)

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002017923-00 , ISBN 4390113178 (1105124865)

【資料2】永田久 著. 年中行事を「科学」する : 暦のなかの文化と知恵. 日本経済新聞社, 1989.

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001972952-00 , ISBN 4532094798 (1105234508)

【資料3】月刊MOE 白泉社 (14巻9号 1992.12)

【資料4】クリスマスはすごい!! : クリスマスのすべてがこの一冊で. クレヨンハウス, 1993.

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002297446-00 , ISBN 490637932X (1106385937)

【資料5】21世紀研究会 編. 色彩の世界地図. 文藝春秋, 2003. (文春新書)

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004094082-00 , ISBN 4166603116 (1108324260)

【資料6】タッド・トレジャ 著 , 北村弘文 訳. アメリカ風俗・慣習・伝統事典. 北星堂書店, 1992.

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002176404-00 , ISBN 459000903X (1105907760)

【資料7】日外アソシエーツ株式会社 編. 文化人類学の本全情報 1994-2001. 日外アソシエーツ, 2002.

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003666959-00 , ISBN 481691725X (1108179867)

【資料8】日外アソシエーツ株式会社 編. 文化人類学の本全情報 1945-1993. 日外アソシエーツ, 1994.

http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002324297-00 , ISBN 4816912096 (1106525288)

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