https://poohchan-cute.net/category/etc/etc-karin.html 【魅惑の果実 カリン】より
魅惑的な芳香のカリン
秋から初冬にかけてカリンの木にはたくさんの黄色い実がつきます。
果実はやや大きめで、堅くて洋梨を寸胴にしたような形で、明るい黄色の表面はちょっとペトペトしていて魅惑的な甘い芳香があります。
ぶちゃいくでカワイイカリンの果実
愛嬌のある ぶちゃいくでカワイイカリンの果実
この香りの成分はトリテルペン化合物によるもので、細菌やウイルスの増殖するのを妨いだり、炎症を和らげる効果があるのだそうです。
黄色く実ったカリン
折しもカリンの実の旬の時期は乾燥気味。部屋や車に置いて風邪予防を兼ねた薬用芳香剤として有効活用するのも良いですね。
魅惑的な芳香を思いっきり満喫して癒やされてみてはいかがでしょう?
香りに惹かれてカリンの果実参り
ある冬の山歩きをしている時です。
甘い芳香に導かれて歩いてみると、カリンの木の下に黄色の果実がたくさん落ちていました。
木の下に落ちた果実を拾ってみると、完熟した梅と桃のような何とも言えない魅惑的な香りにうっとりとしてしまいました。
大量に落ちて、良い香りを漂わせている黄色いカリンの実
その木の持ち主の方がおっしゃるには、カリンの実を部屋や車に置いて芳香剤代わりにすると良い、ということで、親切にもたくさん持たせてくださいました。
家に持ち帰って置いてみたところ、部屋中に甘くて素敵な香りが漂い、大満足。
以来、牛に引かれて善光寺参りではないですが、香りに惹かれてカリンの果実参り状態となり、毎年カリンの実の香る季節を心待ちにするようになりました。
カリンは渋くて生食できない!?
カリンは堅くて渋みがあるため生食できないと言われている果実です。
大量に実った果実が枝に残ったままですし、落ちた果実も長い間木の下に残っているので、鳥や獣にも食べられないようです。
初冬の頃、木に大量に残るカリンの実
しかし、あまりに良い香りのため、幼い頃にフルーティーな消しゴムをかじってみたくなったのと同じような衝動にかられました。
試しに一口かじってみたところ猛烈に渋いです。舌にべっとりと渋みがコーティングされてしまったような感触です。とても酸っぱく、食感もザラザラとして良くありません。
カリンの実の利用方法
生食できないカリンは独特の風味や薬用成分を抽出するためにハチミツ漬けや果実酒などにして、エキスを利用してきた果実です。
また、果実を食べるためには強烈な渋み故に長時間糖分にさらしたり、煮込んだりと、時間と労力を必要とする果実でもありました。
カリンのハチミツ漬けは渋みも苦味も全く無く、とても美味しいシロップとなり、おすすめメニューですが、仕込んでから食べられるまで最低1ヶ月半程かかる上に、発酵防止のための管理も要します。
カリン酒は薬効があり、長期保存できる伝統的な利用方法ですが、美味しく飲めるまでに半年から1年近くの長い時間を要します。
カリンの渋みの原因はタンニン
調べてみると渋みの正体はタンニンでした。このタンニンさえうまく取り除く事ができればおいしくカリンを食べる事ができるのでは?…そう考えて渋抜き方法を模索し、実験してみたところ、ついに短時間で渋抜きをする方法が見つかりました。
この方法ならば、渋戻りもないのでお試しください。
カリンのおいしい食べ方を考案!
渋くて簡単に食べられないとされていたカリンを超短時間で渋抜きする方法を考案しました。
ざっくり言えば、細かくしたカリンを牛乳や豆乳で煮詰めるだけ。
同時に、砂糖やハチミツをお好みで加えておくと、すぐ食べられます。
また、強い酸味もマイルドになって食べやすくなります。
この方法を使えば、カリンをお手軽においしいおやつに大変身させる事ができます!
カリンの渋抜き方法
カリンの渋みの原因であるタンニンは熱を加えてタンパク質と化合させる事で渋み問題が解消されます。
そこで、タンニンとタンパク質がより結合しやすくなるようにカリンをすりおろしたり、スライスして表面積を増やします。
次に牛乳などのタンパク質と一緒に熱を加えます。
たったこれだけで、カリンの渋みが超短時間に無くなります。
カリンのおやつレシピを大公開していますので、カリンの実を簡単に食べたいと思っていた方必見!
スグできる!カリンのおやつ
カリンの風味を残したままで、簡単にスグできるおいしいおやつを作るポイントを説明します。
良いカリンを使う
カリンは黄色くなって、香りの良い完熟したものだけを使います。
緑色の実は堅くて酸味が強いため、黄色くなるまで常温で追熟します。リンゴと一緒に置いておくと追熟が早まります。
皮の表面にカビなどの汚れがついている場合はスポンジを使って洗い、乾燥させておきます。
黄色く熟したきれいなカリンの実
カリンはリンゴより酸化が速いので手速く塩水に浸けて茶色くならないようにします。
カリンの茶色くなった所・虫食い箇所はまずくなるので取り除きます。
塩水に浸して酸化防止・渋抜きをしたカリンの実
個体差があるので牛乳や砂糖の濃さは適宜調整してください。
カリンの品種については専門家でないので不明ですが、木によって実の色や味が異なることがあるようです。
似た環境で育つ別々の2本の木から収穫したカリンの実を同じように追熟させてからカットしたところ、上の写真のように実の色味が濃いものと薄いものとに分かれました。
濃い色の方が柔らかめで洋梨っぽい雰囲気でした。何個かずつカットして検証してみたところ、同じ結果となったので、これに関しては個体差というよりは品種の違いのように感じられました。
渋抜きにタンパク質を加熱して使う
牛乳や豆乳のタンパク質に使う事で簡単・短時間に渋抜きができます。
基本レシピは以下の3種
1 カリンの果肉をまるごと使う
カリンの果肉をまるごと渋抜きして作る カリン・フィリング
カリン・フィリング
2 カリンの果汁を使う
カリンの果汁を渋抜きして作る乳酸菌飲料風のジュース カリン・オ・レ
カリン・オ・レ
3 カリンの果汁の搾りカス使う
渋抜きしたカリンの果汁の搾りカスで作る カリン・クレープ&チップス
や カリン・アイスクリーム
カリンのおから
カリンまるごと1個を余すところなく使いたいので、2と3はセットで作ることをおすすめします。
果汁をジュースに、ボソボソの食感の搾りカスであるカリンのおからをクレープやチップスにします
カリン・デザート
相性抜群のカリンデザート・セット
カリン・クレープとカリン・クレープ
カリンのおから(カリンの搾りカス)
ボソボソの食感の搾りカスはおからのようなもので、便秘の予防と改善に効果・効能もある不溶性食物繊維が豊富に含まれます。
カリンのおからに卵と小麦粉を加えることで風味豊かな心地よい食感のヘルシーなおやつに大変身します。
▶ カリン・クレープ&チップスの作り方
▶ カリン・アイスクリームの作り方
注意事項
紹介しているカリンのおやつはとても簡単にできますので、以下の注意事項を守ってお試しください。
種子には有効な薬用成分が含まれているのですが、シアン化物という毒成分もあるので、確実に取り除く事。
青梅と同様に塩やアルコールに漬け込む事で毒成分は分解され、薬効成分になるそうですが、時短レシピの場合は安全のために種子は確実に取り除いて調理してください。
参照:カリンの種子 ▶
カリンのおやつ作りで残った種子と皮を使って作る夕焼け色のジャム。
煮出した種子は必ず濾して取り除いて除いて下さい。
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