https://nihon.matsu.net/flame_folder/seimei01.html 【1.地球の誕生】より
1.ある星の最後
今からはるか昔の約48億年前、銀河系の片隅でひとつの星が命を終えました。超新星爆発です。最後の爆発と共に周りは明るく照らし出され、その残骸は吹き飛ばされ、ちりぢりになりながら宇宙空間に放たれて行きました。
大きな質量を持つ星は、超新星爆発によっていったんはその生涯を終えますが、宇宙空間に残された残骸は、新しい恒星=太陽が作られるもとになります。
僕達の住む地球の誕生以前にも、寿命を終え、爆発して消えた星があります。
その証拠となるのは、鉄よりも重い原子の存在です。
恒星が輝くのは、軽い原子が核融合反応を起こし、重い原子となる過程で膨大なエネルギーが生まれるからです。鉄の原子は最も安定しているため、恒星の核融合反応では鉄より重い原子にはなりません。鉄以上の重い原子は、星の一生の最後である超新星爆発の時にできると言われています。
鉄よりも重い原子が存在するということは、太陽が出来る以前に一生を終えた星が存在するということを意味しています。
生命が誕生するためには、水素やヘリウムなどの軽い原子以外に、様々な原子が必要です。かつて消えた星があるおかげで、生命は誕生することが出来ました。そして今も地球や僕たちの体を形作る元となっています。
僕達の体は、星くずのかけらが集まって作られているのです。
2.原始太陽の誕生
その後、その近くで星間ガスがしだいに集まり、重力で圧力と密度を高めていきながら渦を巻いていきました。台所の流しを想像すればわかりやすいですが、吸い込まれていく物質は、その過程で自然に渦を巻いていきます。
ガスは重力で圧縮しながら温度を高めていきます。そして、1000万度を超えたあたりでついに水素原子が核融合反応を始め、自分の力で輝き始めました。
原子太陽の誕生です。
太陽は恒星の中では比較的ありふれた大きさを持った星です。
https://nihon.matsu.net/flame_folder/seimei01.html 【3.原始生命の誕生】より
生命を構成する成分がどこから作られたかには、いくつかの説があります。隕石から供給された説、大気中のメタンや二酸化炭素に放電が起こり作られた説、海の満ち引き時に汐だまりに生命のスープがたまり、アワが作られた説などです。
今一番信憑性が高いとされているのは、海底火山の噴出口付近の高温・高圧の環境の元で、メタンやアンモニアから硫化水素の還元でアミノ酸などの有機物が作り出されたという説です。
いずれにせよ最初はアミノ酸が化学的にくっついたり離れたりしているだけだったものが、次第に自己の形を持ち増殖することが出来るようになり、生命というものになっていったようです。フラスコ内の実験でも、ある種の有機物が自分の周りと物質交換をしたり、粒子を成長させたりすることが確認されています。分かりやすいところでは、遺伝子もないのに増殖をできる存在としてプリオンのようなものもあります(厳密には、隣の正常タンパク質を異常タンパク質に転換させるので、"自己の複製"ではありませんが)。
いろんな有機物の種類が形成される中で、より効率的に増殖できる能力を持ったものが増殖していき、その“子孫”を殖やしていきました。
「より、増える能力を持ったものが増えていく」という法則は、今に至るまで、生命の進化を貫く、基本的な原理となっています。
最初の生命は地球誕生から8億年たった、約38億年前頃に誕生したといわれています。海の誕生が約40億年前といわれているので、海の誕生からまもなく生命はできたことになります。
その生活場所は海底火山の噴出孔付近と言われています。
地表には有害な紫外線などが降り注ぎ、生命が住める環境ではありませんでした。最初の生命は光の届かない海の奥底で噴出口から出される硫化水素を分解することによりエネルギーを得ていたようです。
現在でもその末裔と思われる細菌類が存在します。海底の噴出口付近の数百度に達する環境の中で、大昔と変わらぬ暮らしをしている生命も地球にはあるのです。
原始の生命は一つの細胞でできた単細胞で、核膜を持たず遺伝子が細胞膜の中に存在する原核生物でした。必要最低限な遺伝情報しか持たず体も小さな彼らは、硫化水素を食べながら細々と暮らしていました。
生命にとって、まだ光は遺伝子を傷つけ命を奪う存在です。暗闇の中で光を避けながら、次の段階に進むにはまだ気の遠くなるような時間が必要です。
恒星は質量が大きいほど激しく核融合反応が進みます。そのため重い星は寿命が短く、軽い星ほど寿命が長くなります。太陽の大きさでは寿命は約100億年と言われ、現在で寿命の約半分をすぎたあたりと言われています。
また太陽の活動には周期があり、活動が強くなると、太陽風にのってやってきた電磁波などにより磁気嵐などが起きます。生物の進化に太陽活動は影響を及ぼしたかも知れません。
太陽は膨大な光と熱を発する天体です。地球に昼が訪れ、地表が暖められるのは、太陽からの光とエネルギーによるものです。太陽なしでは、地球は暗黒に包まれた冷たい星に過ぎません。太陽無しに現在の地球と生命の姿はあり得ません。
3.地球の誕生
太陽の周りを物質が回転するうち、密度の高いところから惑星が作られていきました。
ガス成分は太陽風で吹き飛ばされるため、太陽に近い部分では密度の高い原子を中心とした惑星となりました。水星・金星・地球・火星は固体成分が中心で、木星よりも遠い星はガスが中心成分となっています。
地球で大気の成分が残っているのはある程度の大きさまで成長し、重力が大気をつなぎ止めておくことが出来たからです。
また太陽との位置も微妙でした。太陽にもう少し近いと地球は灼熱の温度になり、もう少し遠いと冷えた星になっていたと言われています。
ただし、惑星の並ぶ距離にそれぞれ法則があるとの説もあります。もしかしたら地球はあるべくして今の場所を回っているのかも知れません。
原始地球は、成立の過程で互いの重力によりたくさんの隕石が衝突しながら、その大きさを増していきました。
地球がだいぶ形を成し初めてから1億年ほどたった頃、今の火星と同じ大きさほどの星が地球と衝突しました。「ジャイアント・インパクト」と呼ばれる出来事です。
その時に地球のカケラがはがれて出来たのが月といわれています。月は地球の約1/4の半径を持つ大きな衛星です。
月自体には生命の証拠は見つかっていませんが、重力により満ち引きを起こしたり生物の進化に少なからず影響を及ぼしてきたと言われています。
しだいに隕石の数が少なくなり太陽系の中がすっきりしていきます。今でも火星と木星の間には隕石の元となる小惑星がたくさん漂っているそうです。
原始地球は太陽からの太陽風や電磁波にさらされ、大気もありません。激しく隕石が衝突し地表が煮えたぎる文字通りの灼熱地獄です。生物が誕生するのはまだまだ先の話になります。
https://nihon.matsu.net/seimei/02.umi_taiki.html 【2.海と大気の形成】より
1.地球表面の変化
原始地球は今のような青い生命の星ではありませんでした。隕石が頻繁に衝突すると、その運動エネルギーは熱エネルギーに変換されます。原初の時代、大地は高温に煮えたぎるマグマの海でした。
やがて、岩石成分の中に含まれる水分と二酸化炭素が大気中に放出され、大気が形成されていきました。大気の成分は二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、水蒸気が中心でした。
地球が出来た当初は二酸化炭素濃度は現在の数十万倍あったそうです。酸素はほとんどありません。
この頃の空は今のような青色ではありませんでした。二酸化炭素が波長の長い光を吸収し、空はオレンジ色に光っていました。
水蒸気は隕石としてもたらされた岩石成分から供給されました。地球の気温が徐々に冷えてくると、大気中に大量に含まれていた水蒸気は雨となって降り始めました。
原始の雨は硫化水素などの酸性物質を多量に含んだ酸性雨だったと言われています。
温度を下げる助けをしたのは、雨と、それによる約40億年前の海の形成です。降り続く雨により地球表面は冷えていき、地表が固まると水がたまり海が形成されました。
海水は地表の岩石成分により中和され、大気中の二酸化炭素を溶かし込んでいきます。また二酸化炭素は石灰岩としても海底に沈んでいきました。二酸化炭素濃度の低下により、温室効果はしだいに減っていきます。
2.地球内部の変化
地球が出来て初期の段階で、地球を形成する重い部分はしだいに内部に沈んでいき、逆に軽い部分は上部の方に浮き上がりました。
一番重い部分は鉄です。今でも地球の核(コア)の部分は鉄とニッケルで構成されています。
核は液体鉄の外核と、固体鉄の内核に分かれます。
外核の鉄の流動により、地球に磁気が形成されます。また液体鉄が固体鉄になるときに放出される熱により、地球内部から熱が作り出されます。
原始地球においては、地球の核に存在するのは、まだどろどろの液体鉄だけです。
核の上側は、かんらん岩を主成分としたマントルです。現在でもゆっくり流れることによりその上のプレートの移動に影響を及ぼしていますが、原始地球においてはその流れはまだ整ってはいなかったようです。
一番表面の部分は地殻成分です。地球全体から言えば、まるで卵の殻のように薄っぺらな層をしています。海ができた時点では、ところどころに陸地があるだけで、まだ大きな大陸はありませんでした。
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