Facebook相田 公弘さん投稿記事 『 あなたの演じている物語と脚本~人生は脚本に従う~ 』 by大樹
世の中には、なぜか同じようなことを何度も繰り返し、ついには不幸な幕切れに終わる「人生ドラマ」を演じる人がいます。
たとえば、トップクラスの売り上げを誇る営業マンなのに、肝心なところでいつもミスを犯したり、今まで積み重ねてきたものをご破算にしてしまう人、結婚直前まではうまくいくのに、いざ結婚になると、必ず破局をむかえてしまう女性など...。
そこまで劇的ではなくても、「なんで私っていつもこうなの?」と自問することはないでしょうか。これらは じつは 自分の無意識が引き寄せているのです。
もっというと、自分が昔決めた「人生の脚本(隠れた信条)」が働いているからです。
あなたの外の世界は内なる世界の反映で、その逆もまた真なりです。
もし 未解決の心の痛みや自己嫌悪があると、自分に対するもっとも深い思いを反映するような人や出来事を宇宙から呼び出すのです。
今日のテーマは「人生は脚本に従う」です。
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▼. あなたの演じている物語と脚本~ある家族の気づき体験~
(※名前は変えてます)
昌弘君の母親、彰子さんは過保護で神経質な典型的な教育ママでした。
彰子さんの夫であり、昌弘君の父親の孝治さんは、完全主義で勤勉なビジネスマンです。
模範的な中学生で、言われた通りに熱心に勉強し、希望通りの高校に入った昌弘君は急に無口になり、内向的になりました。
家にいるときも、不機嫌に1人でふてくされていることが多く、家族ともあまり口をききません。
そして、高校2年になると、4月から登校をいやがりだし、部屋でごろごろしたり、
おそくまでテレビを見て、朝も11時頃まで寝坊するようになりました。
この家庭では、昌弘君をめぐって、彰子さん(母)と孝治さん(父)との争いが絶えませんでした。
「お前が昌弘を甘やかすからいけないんだ。男の子はきたえなくちゃいかん」
「口先ばかりそうおっしゃるけど、あなたがちっとも父親としての責任をとってくださらないのですもの」
「何だ、自分で勝手に甘やかしておいて、おれに責任をなすりつけるのか。おれは仕事で忙しいんだ」こんな対話がとめどなくくり返されていたようです。
あるご縁で 孝治さんは、僕のセッションに来られました。
そして、話し合う中で孝治さんは、自分自身の姿に気づき、「人生脚本」というものを真剣に考え始めたのです。
(※人生脚本とは、過去の体験(特に親との関係で生まれた)から生まれた隠れた信条(条件付け)のこと)
孝治さんは、それまで彰子さんを1人の人間(Being)として真剣に受け止とめていなかったことに気づきました。
孝治さんは、奥さんと接するときに、Doingレベルでしか接してこなかったことに気づいたわけです。
たとえば「あなた聞いて。今日ね、~こういうことがあったの。なんかさみしいわ」と話すと、「そういう時は、こうすればいいんだよ!」と孝治さんは問題解決のアドバイスをしてしまうのです。
しかし 彰子さんは 答え(=Doing)がほしかったのではなく、自分の存在(=Being)をただ受けとめてほしかったのです。
さらに家庭での孝治さんは、会社と違って、母親に甘える子供のような存在だったことにも気づきました。それらの気づきは孝治さんにとって、ショックでした。
そして孝治さんに、ある心境の変化が起こりました。
ある夜、テレビの討論番組を見ていた彰子さんが、たまりかねたように、夫の方を向いて言いました。「あなた昌弘が相変わらず高校に行かないで、ごろごろ部屋で寝ころがっているのよ。自殺でもするんじゃないかと、心配で・・・」
ふだんの孝治さんは「うるさい、またか」という気分で、こんな話は一切無視してしまうのです。
「これだな」と自分の逃避したい気持ちに気づいて奥さんの発言を真剣に受け止めました。
「そうか、お前1人でそんなに心配していたのか・・・」彰子さんは驚きました。
夫の態度がいつもと違うのです。眼を輝かして、自分を見つめ、傾聴している夫を感じました。
「そうなの、こんなテレビ番組を見てるとひとごとじゃないわ。本当に大丈夫かしら」
孝治さんは、1人の人間、彰子さんの悩みを心から共感して傾聴したのです。
「すまなかったな。お前1人に心配させて」そういう夫の眼の色を見て、彰子さんは口先だけでない【迫力】を感じたのです。
孝治さんは、自分が甘えん坊で、少年時代は昌弘君とかなり似た点があった事も話したのです。そんな話を夫の口から聞くのははじめてです。
彰子さんはびっくりしてしまいました。
夫の話を聴いて、彰子さんの心の中に、久しく忘れていたある光景が思い出されたのでした。彼女には2つ上の姉がいて、幼いころから2人の姉妹は親の愛情をめぐって競争したり、けんかをしていました。
姉の子供たちは、皆、よい学校に入って成績もよいので、彰子さんは昌弘君への期待を必要以上にもったのです。
何とか、昌弘君によい学校に入ってもらおうと、必死で教育ママぶりを発揮したわけです。
そこから少しずつ 彰子さんも自分自身の人生脚本に気づいていきました。
そして 息子を自分のロボットとし利用していた現実に気づき、驚きました。
本当に昌弘君を愛するということは、昌弘君の主体性を認めて解放することだとしみじみ感じてきたのです。
その結果、彼女の昌弘君に対する態度に微妙な変化が生じました。寝坊していても心配しておこさなくなりました。
2,3日の登校拒否は放任しても平然としていられるようになったのです。
さらに、昌弘君に対して、心のふれあいをするような接触はじめ、視線をそらさず、言うことを傾聴するようになったのです。
母親がゲームにのらず、ふりまわされなくなったのを知った昌弘君は、最初当惑しました。
いつもの調子で事が運ばなくなったからです。
夏休みに入るとすぐ、昌弘君は、友人2人と山登りに行くと言い出しました。母親をためしてみたのです。
いつもだったら顔色を変えていろいろ干渉していた彼女はすぐに言いました
「すばらしいわ。いいプランね。あなたを信頼しているから、思う存分楽しんでらっしゃい」昌弘君は、びっくりしました。
自分が信頼されていることを知ったのは、昌弘君にとって1つの感激でした。
山登りから元気で帰ってきた昌弘君は、2学期から調子よく勉強をはじめ、規則的に通学するようになったそうです。
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自分自身に全く無関心だった孝治さんは、ある機会に自分の脚本に気づきました。
そして自分を開き、彰子さんを信頼して、かかわりあった時、彰子さんの方にも不思議な変化がおこったのです。
玉突きのように、相互信頼は波及し、彼女が自分の脚本に気づき、心をひらくと、昌弘君を心の深いところで信頼できるようになったのです。
「私はOKである」という感じは、ある他者に心から信頼された時におこります。
相手を心から信頼するには、まず「私はOK」という自己信頼が必要なのです。
今のありのままの私を受けとめてくれる1人の他者、あなたの存在によって、私は自分の姿に気づきます。
そして、自分の姿に気づくと、あなたを信頼し、あなたの存在をありのままに受けとめやすくなっているのです。
このあまりに単純で、難解な真理を、以下の詩の数行がうまく表現しています。
★『ほんとに、わたしは、まず自分自身から、はじめなければならない。けれども自分自身に終わっては、だめなのだ。
真理は、2人から、同時に始まる』 --ウォルター・タッブズ
もし、人生で同じことを繰り返しているのであれば、あなたも演じ続けている「人生の脚本」を発見してみてください。
脚本指令の影響は大きいですが、脚本を書き換えることにより、今までと違った(あなた本来の)輝く人生を生きることができます。
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