戦うか逃げるか

Facebook清水 友邦さん投稿記事 「戦うか逃げるか」

南アフリカに生息する哺乳類インパラはライオンやヒョウ、チーターという捕食者に襲われた瞬間、地面に倒れ込み、迫る来る死に身を任せます。

まだ傷を負っていないのに石の様に動かなくなるのです。

この不思議な動物の変性意識状態を生物学者は硬直反応と呼んでいます。

先住民は補食動物に霊を明け渡したと考えるそうです。

硬直反応には二つのメリットがあります。

一つは死んだと思って捕食者がゆだんしたとき、すきを見て逃げ出し危険から回避すること。

二つ目めは変性意識状態に入って鋭い歯や爪で引き裂かれている間、痛みを全く感じないようにするためです。 (ピーター・リヴァイン「心と身体をつなぐトラウマ・セラピー」)

人間の脳は大きく本能と感情と理性の三つのシステムで構成されています。

人間にも動物と同じく恐怖に直面した時に脳の本能の部位が活性化して硬直反応のような不随意反応が起きます。

しかし現代人は身体よりも思考に依存している為に身体的反応を理性が押さえ込む事が多いのです。

自分が捕食者の餌であると自覚している野生動物は生き残る為に何をすべきか解っていて素早く退避行動に移ります。

チータは鋭い爪と牙をもっているので全く躊躇なく獲物に襲いかかります。

人間にとって捕食者と被捕食者の線引きは明確ではありません。

人間は俊敏さと牙と爪を持たないため被捕食動物としての記憶が脳の中に生き続けています。

戦うか逃げるかの選択は容易ではないので、生死の危険に直面した時に理性は混乱してエネルギーを閉じ込めてしまいます。

行動を起こさないと理性によって神経系統の中に閉じ込められてたエネルギーは不安、うつ、心身症、問題行動となって浮上し、やがて心身を破壊します。

これがトラウマで悩む人の体の中に起こっている症状です。

欲しいものを手に取ろうと思った瞬間、筋肉はすぐに行動に移すための準備をします。

しかし、ダメと怒られたりして行動を抑制すると、その使われなかったエネルギーは筋肉に閉じ込められます。

これが長期間繰り返し行われると筋肉は相克状態に陥ります。

身体内部にアクセルを踏んで高速回転する本能系と理性によるブレーキの身体硬直による強い混乱状態が起きてしまいます。

野生動物は「戦うか逃げる」かでエネルギーを本能的に放出することができますが、人間は本能よりも理性が優位なのでエネルギーをうまく解放することができません。

心身が分離してしまっているのです

強固な自我の層が揺らぐと無意識の層から感情やイメージをともなって否定的な身体感覚が表出します。

逃げも戦いもして来なかった硬直した身体には使われなかったエネルギーが蓄積されています。

発散されないエネルギーは強固な自我によってダムのようにせき止められています。もし、何らかの原因でエネルギーの流れをせき止めていた自我が崩壊するとエネルギーはブロックを超えて流れ出します。

セラピーの現場でその無意識のエネルギーが解放されると、恐ろしいまでの叫び声が出たり、また、体の震え、硬直、引きつけ、爆発するような自由な動きがでてきます。

気づきをもってその衝動を感じることができれば脱同一化が起きて、停滞していた情動のエネルギーは生命エネルギーへと変容します。

痛みや不安を感じると、自我は感じたくないので封じ込めようと思考がすぐに忙しく動きはじめます。

過去や未来にいったりする思考から離れて、いまここにいて、衝動の反応をあるがまにしておくとプロセスが完了して否定的なエネルギーは肯定的なエネルギーに変容します。

頭から下のエネルギー・センターが充実して、存在の力が付くと感情エネルギーを扱えるようになるので衝動から自由になります。

純粋なエネルギーの象徴が蛇です。

気づきが起きて蛇が目覚めると下腹部からエネルギーが上昇して牢獄に閉じ込められている魂は解放されてドリームタイムへ回帰します。

狩人は自分の怒り恐怖、無力感という獲物を狩場で狩り取らなければなりませんでした。

それが古代から継続している戦士の本当の戦いなのです。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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