花に寝て天に近づく瀬音かな

https://blog.goo.ne.jp/t-hideki2/e/b17cf45553adfdd528e4fe42c3276f54【花に寝ぬ】より

          桜をばなど寝所にせぬぞ、

          花に寝ぬ春の鳥の心よ

        花に寝ぬこれも類か鼠の巣     芭 蕉

 ネズミが天井裏などで騒いでいたのだ。春の夜、その巣を空にして騒ぎまわるネズミの姿から、ふと『源氏物語』の一節が浮かんで、「花に寝ぬこれも類(たぐい)か」という呟(つぶや)きとなったものである。ネズミの上に『源氏物語』の世界が感じとられるところに俳諧がある。ひとり興じている姿であるが、興じつつ実は孤独な姿が感じられる。

前書の「桜をばなど……」は、『源氏物語』若菜の巻上に、

 「 いかなれば花に木づたふ鶯の 桜をわきて塒(ねぐら)とはせぬ         

        春の鳥の、桜ひとつにとまらぬ心よ、あやしと覚ゆることぞかし」

 と柏木が口ずさんだ、ということによったもの。

 「春の鳥の、桜ひとつにとまらぬ心よ」というのは、源氏(鶯)が、女三の宮(桜)だけをひたすら愛することをせず、紫の上のほうに通われることをいったもの。

 「花に寝ぬこれも類か」は、「これも花に寝ぬ類か」を倒置したもの。

 季語は「花」で春。「花」そのものの趣に焦点を合わせたものではなく、古典を使った俳諧化の契機として用いられたもの。

「ネズミが巣を抜け出て、寝ようともせず浮かれ騒いでいる。『源氏物語』には、 鶯があちこち木伝いして、桜ひとつに落ちつかないで移り歩いているとあるが、 ネズミもそれと同じ類なのであろうか。なんとも面白いことだ」

      船酔ひのまだをさまらずうすざくら     季 己


https://club.informatix.co.jp/?p=1994 【「1/fゆらぎ」とは? 音とゆらぎの密接な関連性1/fゆらぎ|癒しや心地よさとの関係】より

こんにちは、インフォマティクスの空間情報クラブ編集部です。

「黄金比」のコラムでは、空間を居心地よくする要素「黄金比」を旅しました。人が黄金比を心地よく感じるのは、それがDNAに仕込まれているから。

今回は、自然界に仕込まれた心地よさを感じさせる要素「1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ」を旅したいと思います。

「ザー」という音にも違いがある

パソコンのスピーカーから出る「ザー」という音、雨が降るときの「ザー」、打ち寄せる波の「ザー」。文字で書くと同じですが、空間や人に与える印象はそれぞれ異なります。

喫茶店で人を待つときも、白い壁を見るしかない場合と、熱帯魚の水槽がそばにある場合とでは、時間が流れるスピードも違うように感じます。

なぜパソコンから出る「ザー」はうるさく感じ、雨や波の「ザー」はうるさく感じないのでしょうか?

なぜ熱帯魚のいる水槽は見る人の心を穏やかにするのでしょうか?

癒しやリラックスと1/fゆらぎ

自然界に存在するものには、必ず「ゆらぎ」があります。一定に見えても厳密には一定でありません。

ゆらぎのない自然物はないということです。

ゆらぎが大きいと意外性・突発性が高く、次に何が起こるか分からないので人は不安になります。逆にゆらぎが小さすぎると安心ですが単調で変化がないので飽きてきます。

1/f(えふぶんのいち)ゆらぎは、規則性と突発性、予測性と逸脱性が適度に組み合わさったもので、居心地のよい空間と情報を与え人の心を落ち着かせるといわれています。

1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)とは、パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。ただしfは 0より大きい、有限な範囲をとるものとする。

(出典:Wikipedia)

ゆらぎの歴史

ゆらぎについて物理的、数学的観点からざっとおさらいしましょう。

自然界に存在する「ゆらぎ」が発見されたのは、ほんの80年ほど前。電気的導体に電流を流した時の抵抗値が一定にならず、不安定に揺らいでいることによるものでした。

波長を持つもの(例:光、音楽、電気信号)や動くもの(例:蝶、魚、風、炎)は波形や軌跡をフーリエ変換によって正弦波の和に分解できます。

複雑な波形も、周波数(f:振動の多さ)やパワー(P:振動の幅)の異なる大小さまざまな正弦波が合わさったものであることがわかります。

これを周波数の小さい順に並べた時、パワーが傾き45度のきれいな反比例になるものを「1/fゆらぎを持つ」といいます。

つまり高音や動きのすばやいものはパワーが小さく、低音や動きの遅いものはパワーが大きく、しかもまんべんなく配分されている波形や動きが1/fゆらぎを持つものの正体なのです。

モーツアルトと1/fゆらぎ

1/fゆらぎがあるといわれるモーツアルトをあらためて聴いてみました。

不要なものを捨ててきれいに片付いた室内にモーツアルトの楽曲『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』が響いたとたん、空間が安心感に包まれリラックスした気分になりました。

1/fゆらぎは「ピンクノイズ」とも呼ばれていますが、そのあたりにも秘密がありそうです。

焚火やろうそくの炎、小川のせせらぎ、木々のそよぐ音。それら1/fゆらぎを持つものを眺めたり聴いたり感じたりしていると、時(とき)を忘れます。

1/fゆらぎに、対極ともいえる「規則正しく刻んでいる時間」を忘れる効果があるとは何とも不思議です。

ゆらぐと困るもの

文明が進化すればするほど、人はゆらぎを排除しようとしているように見えます。

手作りから工場生産での規格品へ。野菜も大きさをそろえて出荷。森を伐採して公園にし、等間隔で街路樹を植える。

大量生産や工業規格などによって作られる人工物は、いかにゆらぎ(規格外)を排除するかに努めています。

日常生活でゆらぎがあると困るものの代表は、階段。たまに最下段だけ微妙に段差が違う階段があると、つまずきますよね。

定規や秤などの計測器もゆらぎがあっては困ります。

時間の刻みにはゆらぎがありません。しかし天体の軌道運動をはじめ宇宙を形成するあらゆる分子の動きにはゆらぎがあります。

時計はこれらの天体が本来持つ小さなゆらぎを修正して人工的に刻ませているのです。

ゆらぎのメカニズムがわかれば、人工的にゆらぎを作ることもできます。街路樹を1/fゆらぎの間隔で植えたり、シンセサイザーで完璧な1/fゆらぎ音楽の作曲もできます。

しかし、1/fゆらぎを持つものが必ずしも心地よいとは限りません。時と場所、心理状態によっては鳥の声や風鈴をうるさく感じたり、風や波の音が気になって眠れないこともあるでしょう。

人が空間から受け取っている情報は一方通行ではないことをここでも感じます。

黄金比と同様「なんだか心地いい」と感じるものが、結果的に1/fゆらぎを持っているのかもしれませんが、逆は必ずしも真ではない。

モーツアルトやバッハも、1/fゆらぎを計算して作曲したわけではありません。心地よいと感じる内的衝動に駆られて曲を創り、その結果1/fゆらぎになったのです。

1/fゆらぎが心地よいのはなぜか

人間の心拍リズムにも1/fゆらぎがあります。

正常に動いている心臓は単に規則正しく鼓動を打っているのではなく、1/fゆらぎを持って人間の生命を営んでいるのです。

脳波のα波の周波数ゆらぎに代表される生体リズムもそうですし、そもそも人の神経細胞が発する生体信号の電気パルス間隔は1/fゆらぎだといわれています。

黄金比と同じく、人が心地よいと感じる原因には生体に埋め込まれた情報が関係しています。

1/fゆらぎは宇宙万物の動き方の根本法則に似たものとされていますが、その根源はいまだに謎です。 

https://www.youtube.com/watch?v=3DB1cId1TmA

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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