https://charalab.com/1412/ 【なんでその動物? 鳥獣戯画の擬人化チョイスに想いを馳せて】より
ウサギ、カエルにサルと、キャラクターの元祖とも言える、国宝『鳥獣戯画』の動物たち。
数ある動物の中で、絵師はどうして彼らを登場人物として選んだのでしょうか?
絵をよーく見ると、その理由が見えてきます。
【本文】
動物たちが生き生きと描かれた、京都の高山寺に伝わる国宝の『鳥獣戯画』。
甲・乙・丙・丁の4巻からなる絵巻物で、最も有名な甲巻では、ウサギとカエルが相撲を取ったりと、動物たちが人間の暮らしの真似ごとをしています。
各場面の物語を想像するだけでも楽しいですが、今回はちょっぴり見かたを変えて、そのシーンを描くにあたり「なぜその動物が選ばれたのか」を考えてみたいと思います。
キツネの尻尾にある「ポフッ」は何ぞや?
甲巻では、ウサギさんチームとカエルさんチームに分かれて賭弓(のりゆみ)をしている場面が描かれています。
賭弓は、褒賞を賭けて弓の腕を競うもので、宮中行事でもありました。
的の横に立つのは、矢を数える係のウサギとキツネ。キツネは尻尾を手で持っており、その先には「ポフッ」とした何かが描写されています。
この「ポフッ」は〈狐火〉だそうで、キツネはその灯りで的を照らしているのでした。
もちろん狐火はファンタジーの世界のお話ですが、日本各地に狐火の怪談が伝わっていたり、歌川広重の浮世絵・名所江戸百景『王子装束ゑの木 大晦日の狐火』に描かれていたりします。
また、実際の賭弓でも日が暮れてくると松明で的を照らしていたそうです。
このことから、キツネは狐火のスキルがあるからこそ、照明係に抜擢されたのでしょう。
仏様とカエルに共通する点とは”水かき”だった
甲巻の後半では、サルの導師がカエルの仏像に向かってお経をあげています。
ありがたいような、ありがたくないようなトボけたカエル仏ですが、実はナイスな配役。
カエルの足元を見ると、蓮の葉に座っていますね。
水辺に暮らすカエルと蓮は深い縁。
そして、実際のお寺にある仏像の台座も蓮をモチーフにしており、その名も「蓮台」と呼ばれています。
さらに、カエルのポーズにも注目。
指を見ると水かきが描かれています。
カエルなら当然のことですが、仏様の方にもこの水かきがあるんです。
手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)という32ある仏の体の特徴のひとつで、人々を漏れなくすくい上げる(救う)意味があるとか。
そんな共通点から、カエルは仏像にキャスティングされたのかもしれませんね。
©うろんげ 2015
『鳥獣戯画』のキャラクターたちを自由に配置して楽しむ「鳥獣戯画制作キット」が、ネットで公開されています。
公開後、その手軽さと利用者による愉快な投稿で話題となりましたね。Chara labでも、キットを利用して数点作ってみました。
画面左側に、画像がパレットのように並んでいます。
そこから右の枠にドラッグ&ドロップするだけ。画像を拡大・縮小したり、“鏡”で左右の反転、文字も入れられますよ。
作ってみて、キャラクターたちの躍動感、絵のパワーを改めて実感しました。
未体験の方はぜひ、『鳥獣戯画』に触れてみては。
https://ananweb.jp/anew/347689/ 【カエルはなぜウサギに勝てた? 「国宝 鳥獣戯画」じわじわくる意外な謎】
https://grapee.jp/155615 【日本最古の漫画『鳥獣戯画』ジブリがアニメ化!800年前の絵に命を吹き込む】より
今からおよそ800年前、平安時代末期から鎌倉時代初期に制作されたと思われる日本最古の漫画『鳥獣人物戯画(通称・鳥獣戯画)』
擬人化された動物たちや、当時の時代に生きる人たちが描かれており、歴史の教科書にも掲載されている国宝です。
そんな『鳥獣戯画』に、あのスタジオジブリが命を吹き込みました!
描かれているのは、最も有名な甲巻に登場しているウサギとカエルのやりとりです。
突然の雨に、雨宿りをしていたウサギ。内股なところや耳を触るしぐさを見るに、女の子なのでしょう。
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出典:YouTube
そこに偶然通りかかったカエルは、持っていた傘をウサギへと不器用に差し出すと走り去ってしまいます。
なんだか、スタジオジブリの名作『となりのトトロ』作中での勘太とサツキのやりとりに似ていますね!
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出典:YouTube
その後、カエルを追いかけたウサギは…?
『出会い篇』と称されたこのアニメーションは、現在第2弾、第3弾を鋭意制作中とのこと。これからは、2人の日常が描かれるのかもしれませんね。
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出典:YouTube
ちなみにこちらのアニメーションは、丸紅新電力のCMとして制作されたもの。『ゆたかな自然』と『心ゆたかな暮らし』をテーマに描いたのだそうです。
楽しいだけではなく、ちょっぴりキュンとしてしまう『現代版・鳥獣戯画』。続編からも目が離せません!
https://grapee.jp/192058 【ジブリの『鳥獣戯画』再び!仲良くなったウサギとカエル、第2弾では…!?】より
800年前に生まれた、日本最古の漫画と言われる『鳥獣人物戯画(通称・鳥獣戯画)』。
擬人化された動物たちが描かれたこの絵をスタジオジブリがアニメ化し、話題になりました。
日本最古の漫画『鳥獣戯画』ジブリがアニメ化!800年前の絵に命を吹き込む
2016年3月に公開された『出会い篇』では、雨宿りをするウサギとカエルの出会いが描かれていた、アニメ『鳥獣戯画』。
新丸紅電力が『ゆたかな自然』と『心ゆたかな暮らし』をテーマにしたこのアニメでは、見ている人の心を癒してくれます。
鳥獣戯画の第2弾『つれあい篇』が公開!
『出会い篇』で、仲良くなったウサギとカエル。2人で川を渡ろうとするのですが…!?
ウサギをおぶり、川をゆっくり歩いて渡っているカエル。しかし、うっかり足を滑らせてドボン!
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出典:YouTube
周囲にいたサルやカモたちは、心配そうに駆け寄ってきます。…が、カエルはウサギを持ち上げ、川から上がってきました。
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出典:YouTube
しかし、ウサギを地面に降ろすと力尽きたようにカエルは倒れてしまいました。ウサギを守るため、身体を張ったのでしょうか…。
慌てたウサギがカエルのお腹を押すと、口から大量の水が噴射!どうやら、転んだ際に水を飲みこんでしまったようです。
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出典:YouTube
目が覚めたカエルは周囲を見渡すと、「テヘヘ…」と照れくさそうに頭をポリポリ。その姿を見て、全員大爆笑!
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出典:出典名
動物たちのほのぼのとした様子に、思わず見ているこちらも笑顔になれますね♪ スタジオジブリが描く自然な人間の動作によって、本当に動物たちに命が吹き込まれたようです!
公式サイトによると、第3弾も鋭意製作中とのこと。次回はいったいどんな姿を見せてくれるのか、とても気になります!
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