https://diamond.jp/articles/-/244438?page=7 【新型コロナは日本人にとって本当に「怖いウイルス」なのか】より
PCR検査の問題点を指摘する研究者は、ほかにも少なくない。
たとえば、臨床医である国立大学病院の内科系教授は、PCR検査では遺伝子配列の2カ所だけ同じなら陽性になるので、何年も前から日本に存在して風邪の原因になってきた別のコロナウイルス(土着コロナ)でも陽性になると指摘する(『土着コロナにも陽性反応か~現状はPCR検査がもたらした混乱…?~ある現場臨床医からの声』)。
その結果、真の意味での感染者である「新型コロナウイルスによる重症の肺炎患者」だけでなく、(1)土着コロナによる風邪の患者、(2)土着コロナの保有者、(3)新型コロナ以外が原因の肺炎患者で、土着コロナの保有者まで「新型コロナの感染者」になってしまうというのだ。
この教授は、PCR検査は「微量であっても存在するDNAを検出する方法」であって、「ウイルスを疫学的に検出する方法」ではないとし、世界がいま初めて経験しているのは、「新型コロナウイルスの脅威」ではなく「PCR検査を大規模に疫学調査(集団を対象に病気の頻度や特徴を調べること)に使う恐ろしさ」だと書いている。
このような意見については「誤り」「不正確」とする研究者もいる。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)はきちんと説明すべきだろう。
新型コロナウイルス感染症は本当のところ、日本人にとってどんな感染症なのだろうか。
第一に指摘したいのは、世界保健機関(WHO)の見解だ。新型コロナについてWHOは早い段階から「ほとんどの感染者は軽症または中程度の呼吸器疾患を経験し、特別な治療を必要とせずに回復する」という説明をウェブサイトに掲載し続けている(鶴田由紀『新型コロナウイルス騒動の裏側』)。
WHOのテドロス事務局長が3月11日に「パンデミック(世界的大流行)」を宣言して世界に衝撃を与えたが、WHOがインフルエンザについて「パンデミック」という場合、症状の軽い重いは問わず、ただ世界的に感染が拡大しているかどうかで判断しているのだという。
第二に指摘できるのは、100万人当たりの死者数では、日本を含む東アジア諸国が欧米諸国より2けたも少ないことだ。
米ジョンズ・ホプキンス大の調査などに基づく「MEDLEY」の7月27日のデータによると、米国466人、英国700人に対し、日本は8.09人(クルーズ船を除く)、韓国5.98人、中国3.3人などとなっている。
日本の死者がけた違いに少ない理由について、高橋泰・国際医療福祉大学教授(公衆衛生学)は、次の4つの要因の複合的効果ではないかと見ている。
(1)アジア人は、自然免疫力(侵入してきた病原体を感知し排除しようとする、人体にもともと備わった仕組み)が欧米人より強い。
(2)重症化しやすい高齢者のウイルス曝露(体内に取り込むこと)が少なかった(老人福祉施設が家族との面会を禁じたなど)。
(3)清潔好きな生活習慣(手洗いやマスク着用をいとわない)。
(4)優れた医療制度(保健所や病院)。
だが、これも定説というわけではない。
インフルエンザと比べても少ない感染者や死者の数
新型コロナについて第三に指摘できるのは、感染者と死者が季節性インフルエンザと比べても少ないことだ。
日本で毎年12月から翌年3月まで流行するインフルエンザでは、約1000万人が感染し、直接死で約3000人、関連死を合わせると約1万人が死亡している。
例年に比べて流行しなかったとされる今シーズンも、ピーク時には1週間に500人程度も亡くなっていた。
これに比べて新型コロナは7月31日現在、日本では感染者が3万7035人、死者が1026人(クルーズ船を含む)だ。
7月初めから東京都を中心に新規感染者(PCR検査で陽性と判定された人)が急増し、政府が緊急事態宣言を出した4月を上回ると指摘されているが、当時と比べて2つの点で大きく違っている。
1つはPCR検査数の増加だ。東京都を例にとると、4月初め頃の1日の検査数は500件に満たなかったが、7月には1日に3500件以上、多い日は5000件を超す日もあった。
PCR検査が増えれば、陽性者も増えるのは当然だ。
また、検査を受けた人も4月ごろは高熱が続くなど重い症状が出た人に限られていたが、最近は無症状の若年層が6~7割を占めている。
2つ目の違いは重症者と死者が極めて少ないことだ。
累計感染者が1万人を超えた東京都では、感染者が急増しているにもかかわらず、重症者と死者は少ない。7月31日現在の重症者は16人(4月28~29日は105人)、7月中の死者は16人(4月104人)が報告されているだけだ。
「98%は無症状や軽症状で終わる」
毒性弱く、多くが自然免疫で克服
なぜ重症者と死者が少ないのだろうか。
この背景や要因について、前出の高橋教授はこう説明している。(高橋泰ら『新型コロナの実態予測と今後に向けた提言 上・下』〈「社会保険旬報」2020年6月21日号、7月1日号〉)
教授によれば、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスには以下のような違いがある。
インフルエンザは毒性が強いので、曝露した場合、多くの人が自然免疫では克服できない。
2日~1週間で獲得免疫(新しい病原体が侵入してきたとき、その病原体を他のものと区別して記憶し、同じ病原体が侵入してきたとき排除する仕組み)が発達し、インフルエンザウイルスと戦う。
その際、発熱などの風邪症状が出る。多くの人は1週間~10日で回復するが、中には肺炎などになり、死に至ることもある。
これに対し新型コロナは毒性が弱いので、多くの場合、自然免疫で克服し、本人に自覚がないまま無症状か軽い風邪症状で終わる。
ただ、感染者の一部は自然免疫では克服できず、数日かかって獲得免疫が発達し、発熱などの症状が出る。
新型コロナはそれ自体では肺炎などは起こさないが、まれに、「サイトカイン・ストーム」と呼ばれる免疫システムの過剰反応(暴走)が起きて正常な細胞や臓器を攻撃し、重篤な肺炎や全身のウイルス血栓を発症し、死に至ることもある。つまり新型コロナは、伝染力は強いが、感染力も毒性も弱いウイルスなのだ。
高橋教授は以上のように新型コロナウイルスを特徴づけたうえで、感染ステージ(段階)を「曝露していない(ステージ0)」から「死亡(同6)」まで7段階に分け、独自のシミュレーションをした。
その結果、次のことが明らかになったという。
このウイルスに曝露した人のうち98%は、自然免疫によって自覚がないまま無症状か軽い風邪のような症状で終わる。
獲得免疫が発達し、ひどい風邪症状などになるのは曝露者の2%程度だ。
さらに、このうちでサイトカイン・ストームが起きて重症化するのは、非常に少数だ。
年代別にみると、30歳未満では10万人中5人、30~59歳で30人、60~69歳で150人、70歳以上で300人程度だと推定している。
いくつかの仮定を置いた推計なので、数字の精度の問題はあるが、死者が何十万人も出るというような数理モデルによる推定よりも、はるかに現実に合致していると思われる。
以上のようなデータや専門家の意見を総合すれば、新型コロナウイルスに「過剰」な恐怖心を抱く必要はない。
重要なのは「2%のリスク層」対策
年齢によるリスクに応じた対策が現実的
高橋教授は独自の分析に基づき、政府や自治体の対策は「2%のリスク層」に重点を置くべきだとし、具体的には年齢によるリスク差を考慮した対応をしてはどうか、提案している。
重症化のリスクが0に近い30歳未満は、対面授業やスポーツを平常通りに戻す。子どもや学生からPCR陽性者が出ても騒がず、明らかな症状が何人にも出て集団発生が起きたら学級閉鎖すればよい。
30~59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。罹患した場合は症状に応じて自宅待機などで対応し、集団発生が起きたら職場を閉鎖すればよい。
60~69歳は感染リスクが高まるので、流行期には在宅勤務などを推奨する。
70歳以上の高齢者(や持病を持つ人)は、流行している間は隔離的な生活をしてもらう――といった内容だ。
「PCR検査の陽性者」は
必ずしも「感染者」ではない
ここまでは「PCR検査の陽性者」=「感染者」ということで話を進めてきたが、この前提にも疑問が出されている。
大橋眞・徳島大学名誉教授(免疫生物学)は、その診断(判定)基準に問題があるとしている(動画『コロナ騒動の原点は、PCR検査にあり』など)。
PCR検査で新型コロナウイルスの存在を確認していると多くの人が思っているようだが、それは誤解だ。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、ウイルスの遺伝子を増幅する技術で、新型コロナの場合、検査は次のような手順で行われる。
公表されているコロナウイルスの遺伝子RNA(リボ核酸)の配列を基に、特徴的な配列に対応するDNA(デオキシリボ核酸)の断片(プライマー)を合成し、これを検体(鼻の粘膜やのどの唾液)と反応させて、プライマーと結合する配列のDNAを増幅して分析する。
このようなPCR検査について、大橋名誉教授は「体内に取り込んだが(曝露したが)感染(ウイルスが定着し、増殖すること)していない場合でも陽性になる」と指摘する。
ウイルスが粘膜の細胞の表面に付着しているだけで、自然免疫の力で細胞内へ侵入できていないような場合でも陽性になるからだ。
また、普通のインフルエンザウイルスや他のコロナウイルスでもPCR検査で陽性になる可能性があるという。
実際、米国で発売されている「新型コロナのPCR検査キット」には、「インフルエンザA型、同B型、マイコプラズマ肺炎などのウイルスにも陽性になる」と注意事項が記載されている。
つまり、インフルエンザウイルスやほかの常在性コロナウイルスの保有者が、新型コロナウイルスの感染者に数えられている可能性があるわけだ。そうだとすれば「PCR陽性者=感染者」という診断基準を変えない限り、新型コロナの感染者はいつまでも存在し続けることになる。
「疫学的な検出方法ではない」と臨床医
現在の診断基準でよいのか?
このような検査は新型コロナウイルス感染症の診断基準として適正なのだろうか。
大橋名誉教授によれば、米国疾病予防センター(CDC)のウェブサイトの「新型コロナウイルスに対するPCR検査の概要」には、次のような注意事項が記されている。
「PCR検査で検出されたウイルスの遺伝子は、感染性のウイルスの存在を示しているとは限らないし、新型コロナウイルスが臨床症状(肺炎など)の原因とは限らない」
また米国で発売されている「新型コロナウイルス測定用のPCR検査キット」の説明書には次のように書かれている。
「本剤の検出結果はあくまでも臨床上の参考値であり、臨床診断・治療の唯一のエビデンス(証拠)として使用すべきものではない。患者の症状・徴候、既往歴、他の臨床検査値、治療反応などと併せて臨床管理を考慮すること。また、検出結果は臨床診断のエビデンスとして直接使用すべきものではなく、あくまでも臨床医の参考とする」
つまり、PCR検査で陽性という結果だけで、新型コロナウイルス感染症と診断してはならないと注意を喚起しているのだ。
大橋名誉教授は、超訴訟社会の米国では、いつ訴えられるか分からないので、正直に記載せざるを得ないのだろうと推測するが、日本の検査キットも原理は同じだと指摘する。
その上で、多くの人にとっては風邪程度の健康被害をもたらすにすぎない新型コロナ問題が世界的な「騒動」になった原点は、PCR検査にあると指摘し、PCR検査の陽性者をそのまま新型コロナの感染者としている診断(判定)基準を改めるべきだと主張している。
PCR検査の問題点を指摘する研究者は、ほかにも少なくない。
たとえば、臨床医である国立大学病院の内科系教授は、PCR検査では遺伝子配列の2カ所だけ同じなら陽性になるので、何年も前から日本に存在して風邪の原因になってきた別のコロナウイルス(土着コロナ)でも陽性になると指摘する(『土着コロナにも陽性反応か~現状はPCR検査がもたらした混乱…?~ある現場臨床医からの声』)。
その結果、真の意味での感染者である「新型コロナウイルスによる重症の肺炎患者」だけでなく、(1)土着コロナによる風邪の患者、(2)土着コロナの保有者、(3)新型コロナ以外が原因の肺炎患者で、土着コロナの保有者まで「新型コロナの感染者」になってしまうというのだ。
この教授は、PCR検査は「微量であっても存在するDNAを検出する方法」であって、「ウイルスを疫学的に検出する方法」ではないとし、世界がいま初めて経験しているのは、「新型コロナウイルスの脅威」ではなく「PCR検査を大規模に疫学調査(集団を対象に病気の頻度や特徴を調べること)に使う恐ろしさ」だと書いている。
このような意見については「誤り」「不正確」とする研究者もいる。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)はきちんと説明すべきだろう。
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12590754597.html 【土着コロナにも陽性反応か~現状はPCR検査がもたらした混乱…?~ある現場臨床医からの声】より
2020-04-19 11:30:14
緊急事態宣言が全国に拡大され、接触8割削減が求められているこんにち、PCR検査もようやく拡大措置が進められようとしています。日本でも感染者が1万人を突破しましたが、もし、その数字の根拠であるPCR検査による陽性反応の多くが、ただの風邪だったとしたら…?
新型コロナウイルスに関する私たちの認識の前提がすべて崩れてしまいかねない話になりますが、こんな声が信頼できる友人である現場臨床医から私に何度も届いています。また、同様な見方を示す科学者や専門家の方々もおられます。
声を寄せているのは、東大医学部卒の私の大学時代の友人(以下、「A氏」)で、国立大学病院の評判の高い内科医として活躍を続け、現在も毎日、臨床の現場を駆け回っている専門家です。3月の半ばから何度も私とメールのやり取りを続けています。
私は専門家ではありませんので、断定的なことを責任をもって述べるものではなく、あくまでご参考として、こうした現場専門家からの声があることは多くの人に知っておいていただければという趣旨で、以下、ご紹介したいと思います。
●ただの風邪でも「感染者が拡大」?
きっかけは、3月中旬に、そのA氏から私たち友人に届いた次のメールでした。
「皆さんが騒ぎに惑わされておられない事を願っています。『感染拡大が続くコロナ』と報道されていますが、臨床医としての私の目にはどう見ても、『今、新規に発見されている感染者の殆どは中国渡来ではない(おそらく何年も前から日本にいる別の)コロナウイルスでの普通の風邪が少しひどくなって見つかるに至っている』だけに見えます。クルーズ客や観光バス運転手&ガイドさん達は武漢からのウイルスでしょうが、その後はPCRの交差反応という解釈です(散発的な風邪をわざわざPCRで検出している構図)。
私は毎日の診察に出る際も街を歩く時もマスクなんかしてません。…中略…手はよく洗ってますけどね。『感染が早く収まる』のではなく『騒ぐ風潮が早く収まる』のを願っています。風邪はいつでも誰でもひきますので。」
どういうことなのか?との私からの問い合わせに対し、A氏は…、
「PCRは遺伝子の一部分(正確には2か所)だけ同じなら検出されてしまう。武漢型コロナと同じ遺伝子構造を保持するコロナは病原性の強弱とは無関係に全部陽性に出る」
「クラスターなんて言葉でだまされてますが、人が集まるところに行けば風邪を貰いやすいのは当たり前。なのに、みんな完全に盲目状態になっています。隣近所での風邪が流行っているだけです。」
では、なぜ、真実を知る現場の専門家たちは口をつぐんでいるのか?A氏の返事は…、
「自己保身が最大のベクトルだと思います。今、『やたらとPCR検査なんかすべきではない』とか『交差検出の可能性が高い』なんて公共の場で言える勇気ある専門家は居ない。」
「自分の見方には100%の自信を持っています。これは私の臨床研究医としての自信でもありますし、頭でっかちな学者よりも街の人や受診患者さんの率直な感触の方が真実に近い事が往々にしてある…という職種を問わず感知すべき事項と思います。私の意見は『国立大学病院現役内科系教授』の意見として転載して頂いて構いません。」
この見方によると、日本でも、感染者が拡大している海外の国でも、普通の風邪のウィルスで大騒ぎしていることになります。確かに、PCR検査を大規模に行った韓国やイタリアで感染拡大が目立ちましたし、医療体制が不十分な場合ですと、風邪なのに「感染者」と判定された人々への対応で、本来は手厚い対応が必要な患者に手が回らず、多数の重篤者や死者が出てしまうことになります。
これが武漢やイタリアで起こり、日本でも懸念されている悲惨な事態の正体なのか…。ならば、過剰反応でパニックを起こさないことが必要になるが、どうすれば良いのか…。A氏は、政策発信者としての私に期待して、次を提案してきました。
「熱くなっちゃった人でも受容可能で実現可能性と実効性が高そうな提言としては、
1)感染者数を(累積陽性者数だけではなく)、現在の要治療者数でも表わす。
…累積で語れば、永遠に『感染拡大が止まらないコロナ』との報道になります。
2)PCR陽性者だけでなく、常に分母にPCR受検者数をつけて表わす。
…たくさん検査すれば、陽性者が増えるのは当たり前。その陽性者のほとんどは各地方土着ウイルスだと思っています。
3)『コロナ増加』のグラフと並べて、例年のインフルエンザの累積罹患者数、死亡者数の推移を常に表示する。縦軸は同じスケールにして欲しいですね。
4)『専門家はPCRがどこまで正確に武漢ウイルスだけを検出しているか?を再検討すべき!』と問題提起する。
PCRは絶対などと盲信しているところから間違いが始まっています。恐怖を煽る時だけはPCR盲信者になっている人が世論をミスリードしています。」
●待たれるのはむしろ、騒ぎの自然消滅?
正しいかどうかは別として、こうしたA氏の見方から論理的に推論を進めれば、「こんなことが言えることになるが、そう思ってよいか」と、私からA氏に質したのが次です。
「ィ)一般に、風邪がそうであるように、新型であれ従来の土着のものであれコロナウィルス感染→重篤化の因果関係の間には、ウィルスそのものとは異なる要因(持病、低免疫力など)がある。
ロ)それらの要因を活発化させる環境条件(医療体制の不備、パニックで病院が重い症状の人に十分に対応できない等)によって、死亡率等が決まる。
ハ)武漢で発生した新型コロナについては、感染力が他のウィルスよりも強いため、病院に人が押し寄せてパニックが起こったことで、上記ロ)の環境条件を悪化させた。そうした現象が発生している地域では、多数の死者等が発生しているものである。(つまり、社会的要因が大きい)
ニ)PCR検査は、武漢由来の新型コロナとは異なる、通常の風邪の原因となっているウィルスまで検出してしまっているため、その検査に基づいて判断していると、上記ハ)の問題を悪化させ、あるいは長引かせることになる。」
A氏からは、「そう言って良い。そもそも人間が無数のウィルスと共存していることをよく理解してほしい」という返事でした。
そのA氏も、武漢ウイルスそのものは怖いウイルスである可能性が高いとしています。ただ、「日本では水際対策が奏効して、まぁ止まっている…という読みです。でも、日本で散発的に見つかっているもののほとんどは、日本土着ウイルスが交差検出されているだけ」と判断しているとのこと。そして、「PCRの武漢ウイルス特異度が100%ならば、疑われる場合はドンドン検査して分別して欲しいですが(但し特効薬があるわけではないので、意義は今ひとつですが)、現状だと、散発的に少数発生している軽症者を怖がらせ、国を萎縮させるだけの検査になっています。」としています。
「皆が『検査陽性者って本当に武漢渡来型?違うって言ってる意見をネットで見たけど、その方が断然頷ける~』、『拡大なんて全然実感ないし~』と感じ、騒ぎがアホらしくて飽きてもきて、自然収束する…しかないというのが私の読みです。」
A氏の立場は、騒ぎ自体の自然消滅を待つしかない、早くそうなってほしい…です。
●PCR検査を生物学との学際協力で検証してみると…
このやり取りに途中から加わったのが、これも私の大学時代の同級生で、医師ではありませんが、生物学を専攻し、現在は某大学教授でPCRの専門家でもあるB氏。彼はA氏の見方に同調しつつ、こんなことをメールで送ってきました。
「PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、ウィルスゲノムの一部だけをプライマーという短い塩基配列で挟み込んで温度条件を変えて増幅して視覚化しようとするものですが、プライマー設定を適切なものにしませんと、何を見ているのか全くわからなくなります。それこそA君の言うように、新型コロナでなく、その辺の常在ウィルスを検出している可能性も十分あります。日本のコロナ検査はどうも閉鎖的空間で行われているようで、プライマーの設定をどのように行った?どのような温度条件で行っているの?など、専門家に対する情報の開示がありませんと、検査体制のデタラメを疑わざるを得ません。」
「10年以上前ですが、私はほぼ1年中PCRをやっていたので、その技術の有用性だけでなく、狡さも知っているつもりです。検査を主導しているのは、誰なんでしょうか。医師免許を持った官僚なのか?日本には若くて優秀な分子生物学者がたくさんいるので、そのような人達に依頼すれば、ウィルスの正体などあっという間にわかるはずです。」
「今直ぐに役に立つ話ではありませんが、大学同僚の基礎医学の先生とは、細胞生物学や遺伝学などの基礎科目教育、また、PCRを含めた遺伝子検出技術教育を徹底しようということで一致しています。私は肺炎の治療という面では立ち入ることはできませんが、しっかりとした検査体制を早急に確立して、早くこの混乱から抜け出して欲しいものだと思います。」
では、そうした問題の背景は?B氏からは次の答でした。
「それは明白です。いわゆる検査技士と言われている人たちは、生物学の基本的な教育を受けてないわけだから、上からマニュアル通りやれと言われても、急激な対応は無理です。ここは、分子生物オタクの猛者に任せれば、感染の全ての経緯が明らかになりますよ。まず、ウィルスからゲノム単離してシークエンスを。変な検査するよりも、遠回りですが、よっぽど真実に近づける。」
そして、A氏とB氏との間では、次のやり取りが交わされました。
・A氏→B氏「確認しますが、新型コロナPCR陽性となるのは、次の場合がありますね。(例1)武漢ウイルスによる重症肺炎、(例2)土着コロナでの風邪、(例3)土着コロナを保菌、(例4)(未知の病原体やインフルを含む)コロナ以外の病原体による肺炎だが土着コロナも保菌、(例5)主因は細菌性肺炎だが土着コロナも保菌。これらのうち、真の陽性は例1のみで、あとの2~5は偽陽性です。例2は『軽いコロナの例もあるんだ~』で済み、まだ罪が軽いですが(でも、騒ぎの元は作っている)、4や5は『コロナで重症肺炎になった』という誤解につながりますよね。PCRは『微量であっても存在するDNAを検出する』方法であって、『ウイルスを疫学的に検出する』方法ではないでしょう。人類世界が初体験しているのは『コロナウイルスの脅威』ではなく、『PCRを大規模に疫学調査に使う怖さ』です。」
この両氏のやりとりに基づいて、私が作成してみたのが下図です。
・B氏→A氏「その通りです。複数のウィルスに感染している場合、コロナ陽性であっても病態はコロナが原因でないことも十分考えられます。A君が指摘するように、PCRだけでなく抗体を用いた検査などを併用して初めて確定的な診断ができると思います。」
・A氏→B氏「変に鋭敏過ぎる検査は感度を上げても特異度は下がるし、古今東西(そして未来永劫)、1つの検査で、満足できる特異度の検査はあり得ないので、複数&多角的視点からの検査で精度(特異度)をあげる事が必須ですよね。」
●PCR検査改善案
両氏のような専門家ではない文科系人間の私には、以上を100%正しいと押し付ける資格などありません。これを読まれてどう考えるかは、人それぞれだと思います。もちろん、新型コロナに対する警戒を怠ってはいけないでしょう。これまでも多くの風邪の原因になってきたのがコロナウィルス。風邪には特効薬がなく、「風邪は万病のもと」と言われています。感染して重篤化すれば命に関わるのは、新型コロナも同じなのですから。
しかし、自粛モードによる経済不振で自殺者が出たら、それも新型コロナウィルスの犠牲者であることも考えるべきでしょう。そのバランスをどうとるか。
両氏はその後、直接会って、PCR検査の改善案を送ってきました。
こうした検査の正確性を決めるのは、①感度、②特異性、③定量性だそうで、PCR検査は感度が高い割には特異性、つまり、武漢由来の真正の新型コロナを、それ以外の土着のコロナウィルスと区別して特定する力は弱いそうです。これら3要素のバランスが大事。
そもそもプライマー設定や温度条件をどうするかによって左右される検査であるため、別の視点からプライマー設定したPCRと併用して検査することで誤判定を極小化するというのが、すぐにでもできると彼らが言う改善案です。それでも、定量性の難点は克服できず、1コピーしかウィルスを持たない保菌者も重症者も、同じ判定結果になるとのこと。
つまり、精度も実用性も完璧な検査方法は現実になかなか難しいようです。少なくとも、検査万能を前提にして闇雲に感染者数を抑える考え方には、少し無理がある…?
●日本では200万人が感染者になってしまう…?対策は?
緊急事態宣言が出たあとも、A氏はこんなメールを送ってきました。
「武漢コロナばかりが怖い病気…ではない中で生活してますからねぇ、人間は。実際、そんなに騒ぐ程、誰が死にましたか?申し訳ないけど、ここで志村けんさんの名前が挙がるとしたらそれは著しくバランスを欠いた視点に感じます。芸能人~スボーツ選手から沢山『陽性者』が見つかるのは彼らがPCR検査を受けるからです。(武漢ではない)土着ウイルスによる風邪が検出されているだけです。日本人全員が今のPCR検査を受けたら、50~200万人位は陽性だろうと思っています(50~200人に一人は保有~感染として)。勿論、殆どが、土着型ウイルスの誤検出…という意味です。
今更、ドライブスルーなんて愚の骨頂、緊急事態宣言も(緩いからではなく)無意味です。死者が急増した欧米だって例年のインフルエンザ死者と比べてどうですか?桁は違わないでしょう。日本はインフルエンザより二桁少ないです。日本にコロナが少ない理由は、島国&国民性&衛生環境です。
肺炎は元々、命を脅かす疾患です。でも肺炎球菌なんてそこら中の人の体に普通にくっついてます。コロナもインフルもロタもアデノもヘルペスもそうです。そんな中で闘い、自然に免疫をつけながら生きています。肝炎ウイルス患者は肝硬変~肝癌発症高リスク者ですが、その家族は肝炎すら発症せずにウイルス抗体保有者になります。」
では、対策はどうするのか。A氏はこう続けています。…
・武漢コロナ血清療法…一番期待出来るでしょうね。発症して危なそうな人にだけ投与する前提です。
・抗コロナウイルス薬…抗インフル薬の流用ではなく、より特異的な薬の開発が望ましいです。現代の創薬技術は凄いですから1年位で格好はつくかと思います。
・ワクチン…開発は1年かからずに出来るでしょうが、自分で受けたいとは思いません。ワクチンもBCGもそれで具合悪くする人も沢山居ます。受けたのにかかった!という人も沢山受診します。自分はインフルワクチンを受けた事がありません。毎日、診療の最前線に無マスクで出ていますが、全く罹りません。
・集団免疫…言葉の定義にもよると思いますが、放っておけと言いたいです。今の外出自粛は逆行かと。
・BCG…少なくとも今の日本では意味のない議論ですし、世界的にもあまり関係ないと思います。別の事で免疫力を上げる方が遥かに良いです。
・抗体検査…開発は簡単でしょうが、あまり意味ないかと思います。
・PCRでないウイルス検出法の開発…抗原抗体反応で武漢型ウイルスRNAを直接検出する方法は開発すべきですね。PCR誤用が迷走の始まりですから。
・外出自粛施策…発熱~有症状者は自宅待機させるが、健康者は手洗い・顔洗いを励行させつつ普通の昼間生活に早急に戻す。屋外の無マスク散歩~ジョギングは今からでも奨励する。集団観光的でない登山も解禁する。
…やはり、治療薬の開発実用化までは、医療体制を整備した上で、国民が納得する科学的根拠に基づく政治決断で自粛状態を終了させることが何よりの「緊急」経済対策でしょう。
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